「週刊!深読み『ニッポン』」
銃弾数発をめぐって日韓は数日前に舌戦を繰り広げた。原因は単純なようだ。日本メディアの12月24日の報道によると、同月22日早朝、南スーダン・ボル地区で国連平和維持活動(PKO)に参加している韓国工兵部隊の司令官から自衛隊のPKO部隊に電話があり、「周囲を敵に囲まれ、事態は非常に切迫している」として、銃弾1万発の提供要請があった。日本側は直ちに行動し、翌23日に銃弾1万発を韓国側に引き渡した。日本の各種報道はこの件を大いに称賛し、日韓関係の改善につながる等々と主張した。だが韓国側は感謝していない様子で、国防省と外務省が直ちに日本側の説明を否定。日本に感謝の意を表することはないとの声明を出した。(文:趙剛・中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)
PKOに参加する友軍間で必要な支援を行うことは、極めて正常な事であるはずだ。だが問題はそれほど簡単ではないようだ。日本政府の制定した「PKO協力法」によると、PKO参加時に日本が国連加盟国に提供できる物資に武器・弾薬は含まれない。この規定を日本の歴代内閣は繰り返し説明し、約束してきた。ここ数年、日本は海外での準軍事活動への参加に過度に積極的なきらいがあるが、「専守防衛」原則に基づき、この規定は遵守してきた。だが安倍政権が「積極的平和外交」政策を打ち出してから、事態に大きな変化が生じた。
今回の銃弾1万発は、「韓国軍の要請を受け入れて」(括弧付きにしたのは、日本側に直接要請したことを韓国側が正式に否定しているからである)から提供までに、わずか1日しかかからなかった。注目に値する点が2つある。
第1に、日本政府の反応の速さと効率の高さは驚くばかりだった。