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日本の鉄道、再生の歩み 「事故を忘れない」=中国紙 (2)

日本の鉄道、再生の歩み 「事故を忘れない」=中国紙 (2)

 ■改革 7社に分割された国鉄

 国鉄は民営化に当たり、「日本国有鉄道改革法」など一連の法案を基に、1987年4月1日から、巨大な国鉄は所在地ごとに7社に分割された。同時に、日本政府は「国鉄清算事業団」を設立、政府が国鉄の財産・債務の清算、職員の職場確保の責任を負った。

 国鉄は旅客会社6社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)、貨物会社1社(JR貨物)に分割された。「JR」は「Japan Railways」の略称だ。いずれの企業も「JR」の頭文字がつくが、相互に線路を延伸したり、共通の乗車券制度などを有する関係を除けば実質的には独立した法人であり、それぞれ「個性」を有する。各社のロゴマークは異なる色の「JR」レタリングだ。しかし肝要なのは、7社の運命が同じではないことだった。

 2006年までに、JR東日本、JR東海、JR西日本は完全な私営鉄道企業として上場を果たした。だが他の4社は多くの路線が地理的条件などの理由で、いまなお国の「保護下」に置かれている。

 国鉄の分割民営化後、37兆1千億円の国鉄の「長期債務」も分割された。うち22兆5千億円は「清算事業団」が引き継ぎ、11兆6千億円はほぼすべて、JR東日本、JR東海、JR西日本に振り分けられた。にもかかわらず、この3社は民営化以降黒字を保ち続けており、「JRの奇跡」と呼ばれている。

 ■サービス 駅構内に託児所

 昭和20年(1945年)生まれの人が、旧国鉄職員のイメージについて横暴、傲慢、話が通じない、と3つの言葉で総括している。分割民営化以降、JRのイメージは上昇を続けた。JR東海の1988年に始まったクリスマスをテーマにしたCMの数々は、いまなお日本の大学で成功例として取り上げられている。CMは人々の故郷を想ういとしさと遠距離恋愛の切なさを見事に表現した。キャッチコピーは「帰ってくるあなたが最高のプレゼント」だった。

 JR東日本に勤務する根橋さん(音訳)は取材の際、会社には専門のサービス部門は設けられていないが、各部門には相応のサービス事業がある、と誇った。JR東日本、JR西日本の駅構内には託児所が設けられ、JR東日本は東京駅など十数駅で、Wi-Fi無料開放を始めた。

 JRの路線は日本全国に分布し、各都市圏を結んでいる。もっとも日本には大手私鉄など民間鉄道企業がそれぞれの強みを備え(大手私鉄は全国16社)、地元に根ざし、JRの路線が伸びていない地域をカバーしている。

 ■文化 車両基地を開放し「ファン」育成

 日本の名門校の多くには自主的なサークル「鉄道研究会」がある。早稲田大学鉄道研究会の河原慶・幹事長は「研究会によりさらに多くの人に鉄道に興味を持ってもらい、鉄道文化のおもしろさを感じていただけたら」と語る。

 鉄道文化体験は研究会メンバーの重要活動のひとつ。列車走行中の音の録音、列車をモチーフにした写真撮影、鉄道模型収集などだ。彼らは鉄道会社のイベントにも参加する。JR・私鉄をとわず、車両基地開放見学会、記念乗車券発行、特別列車運行といった多種多様なイベントが常時開催されている。一般的にはイベント開催に積極的な企業ほど、より多くの「ファン」が集まる。

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