2009年3月16日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
更新時間:17:22 Mar 16 2009

中国は海外建築家のための「奇抜建築」実験場?

 ある建築設計図がこのほど、オンラインで配布された。誰もがこの設計図を見て、その奇抜さに仰天するに違いない。「中国青年報」が伝えた。

 設計図には、段々畑のなかに建てられた巨大で奇抜な建築群が描かれている。建物には、湾曲したもの、変形したもの、傾斜したもの、木の枝のようなものまで様々だ。設計図をオンラインで配布した北京のMAD建築事務所の説明によると、同事務所は昨年夏、11人の海外若手建築家を集め、貴陽市の「花渓CBD(Central Business District:中心商務区)設計」で、都市と自然を一体化した都市建設実験をスタートしたという。

 貴陽市中心部から17キロメートル離れた花渓区は、優れた生態資源、豊かな民族・観光・文化資源で知られている。中国で最も発達が遅れている省のひとつである同省の中心部近郊にCBDを建設すること、しかも想像の域を超えたデザインの建物を建設する試みは、結局は「机上の空論」に過ぎないのだろうか? それとも西部開発をけん引する新コンセプトとなり、偉大なアイディアになることができるのだろうか?

 MAD建築事務所は2008年、11人の海外若手建築家に呼びかけ、設計について現場での討論を行った。

 MAD建築事務所は、中国は今や、世界の「都市実験室」となっているという見方を示し、「これは、都市未来に関する少し早めの実験です。成功しても失敗に終わっても、中国式都市建設に対して貢献できます」とコメントした。専門家によると、海外建築事務所の設計費は少なくとも2万ドルから4万ドルにおよび、遠路はるばる貴陽まで来ての「実験」にかかる費用ははかりしれない。

 MAD建築事務所広報担当の陳さんは、今回のプロジェクトの一方の当事者は、現地政府ではなく、不動産ディベロッパーだと明かした。各方面に確認したところ、貴陽市には今のところCBDプロジェクトなど存在しないことが判明した。花渓区の都市建設を担当する羅松華・副区長によると、CBDプロジェクトについて耳にしたことは全くないという。

 花渓CBDプランは、中央テレビ局(CCTV)新楼、国家大劇場、国家スタジアムなどで過去に繰り広げられた論争を多くのネットユーザに想起させた。これらのシンボリックな建物の入札募集では、中国大陸部陣営は全軍壊滅状態となったのだ。

 多くの専門家や一般大衆はそろって、花渓CBDプランについて懐疑的な気持ちを抱いている。MAD建築事務所が言う通り、今日の中国は、世界の「都市実験室」になったのだろうか? 我々は、中国での海外建築家たちの創作意欲を、心を広くして受け入れるべきなのか?

  「これらの設計は、見かけは立派だが内容が伴っていない。地域の特色や、脈々と流れる都市の文化が伝わってこない」。建築大家・建築評論家として有名なカナダ籍中国人の彭培根氏も、花渓CBD建築群プランに懐疑的な一人だ。

 清華大学建築学院教授を務める彭氏はここ数年、建築設計は「根本に帰るべき」だと全力を尽くして呼びかけてきた。設計というものは「形式が機能に従う」という原則にのっとり、優れた建物は優雅かつ親しみやすくあるべきだという訴えだ。

 彭氏の見るところ、多くの海外建築家はここ10年間、中国で視覚だけを追い求め、おかしな形の建物をたくさん設計してきた。貴陽花渓CBDプランもそのひとつにすぎない。

 海外建築家の中には、個人的な趣味をあまりに重視するあまり、個人の記念碑的な建物を造る機会を中国で求める人もいる。これは、建築家としての職業道徳や社会責任と全く相反する態度だ。

 「私は決して、視野の狭い民族主義者ではない」と彭氏は語る。「海外建築家が中国で建物を設計することに反対する気持ちは全くない。我々は、中国人建築家を育成すると同時に、授業料を払い続けることを拒んではならず、優秀な海外建築設計を導入すべきだ」。

 「だが」と彭氏は続ける。「中国を新型武器の実験場とするかように、海外建築家が自国で建設を許可されないような建物を中国で建設することは、断固シャットアウトしなければならない。また、国際的な持続可能発展の原則、基本的な構造原理、国際的に通用する安全規範に背く建築設計も排除すべきだ」。

 彭氏によると、海外建築家が自国で理想を実現できないのは、彼らの設計が、持続可能な発展、省エネルギー、経済的予算の面から審査をパスできないためだという。(編集KM)

 写真はMAD建築事務所が組織した海外若手建築家による、貴陽近郊地区CBD建築設計プラン

 「人民網日本語版」2009年3月16日

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