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更新時間:08:05 Apr 02 2009

経済危機の下、「文化力」で国民の自信を堅持する日本

 清華大学新聞学院在学生の庄慶鴻君が昨年夏日本に赴き、九州大学が主催した6週間のサマーコース「Asia in Today's World」に参加して、福岡・広島・京都などの地で見聞きしたこと、感じたことがこのほど、「中国青年報」に掲載された。同文章には、日本には深く根付いた自らの民族文化の力があり、この力が現在世界中を渦巻く金融危機から日本を救うと記されている。

 ▽「来年も山笠をすることが、生活の励みになります」

 私は福岡空港のロビーで、高さ10メートルはあろうかという山笠を見つけた。日本の戦国時代の武将の人形が山車(だし)の上に飾られ、たくさんの鮮やかな花が人形を囲んでいた。山笠は福岡にとって最大の夏祭りであり、その象徴が山車である。毎年新年を迎えると共に、福岡の人々は山笠の準備に奔走し始める。福岡の博多祇園山笠は日本最大の伝統的な夏の祭典のひとつである。

 日本人の生活の節目には祭りがある。山笠が終わりを告げると、人々は何とも言えない物寂しさを感じ、心は翌年の山笠への期待へと変わる。日本人の一年の足取りは季節の変化と祭りの到来に支えられ、ひとつひとつの節目に分かれている。だからたとえ世界中の社会が金融危機の影響を受けようと、毎年の「年中行事」をつつがなく行うことで、日本人は一定の安心と自信を獲得し、個人と社会が向かうべき方向から離脱していないことを感じる。

 博多祇園山笠が行われているとき、九州で最大の発行部数を誇る西日本新聞の紙上に、長年山笠に携わってきた長老の胸の内が綴られていた。「来年も山笠をすることが、生活の励みになる。ただ続けてゆくだけです」。

 ▽「疲れて帰宅して家族の顔を見る、これこそ一番の喜びです」

 福岡では夏は男性が博多祇園山笠に参加する以外に、必ず花火大会が行われる。これは福岡に限ったことではない。大会当日、花火を見に大濠公園へと向かう路上で、私はキキョウや金魚の柄の浴衣を着て、草履を履いた若い女性達をたくさん見掛けた。洋服を着たサラリーマン達に混じって、一緒に電車に乗っているのだ。しかし浴衣を着ているからといってじろじろと見られるわけでもない。伝統と西洋文化がここでは共存している。

 「夏は花火を観に行かなきゃ。花火に行くにはやっぱり浴衣が一番!いくら暑くっても着ます!」ある日本の女子大生がこのように私に話してくれた。普段は最新のファッションを身にまとっていても、多くの日本の若い女性は一着は美しい和服を持っている。お祭りや成人式で着るのはやはり和服であり、洋服では決してない。

 人々はよく日本の伝統の中には「男尊女卑」の観念が強烈に残っているというが、仕事のストレスが極めて大きい現代日本では、妻や子供の存在が、多くのホワイトカラーやサラリーマン達にとって、つらい生活に対する活力の源となっている。私がホームステイした家庭でもそうだった。お母さんは専業主婦、お父さんは長年単身赴任生活をしており、お父さんは1カ月にわずか2回だけ飛行機で帰省し家族との団らんを過ごすことができる。しかし一家はこのような生活にも幸せを感じている。

 経済の不景気に直面し、仕事探しに「理想」を追求する日本人は少なくなった。伝統的な家庭倫理は仕事をする上でひとつの大きな精神的支柱である。ホームステイでお世話になったご主人・豊原さんは語っていた。「どんな仕事をしようが、とにかく家庭を守ることです。疲れて帰宅して家族の顔を見る、これこそ一番の喜びです」。

 ▽日本人の国に対する自信の源は文化的自信にある

 実際、日本経済は近年景気悪化に苦しんでいる。一方で日本政治の求心力は小泉純一郎氏が首相の座を退いた後に下降傾向にあり、相次ぐ内閣の支持率低迷で、2人の首相が辞任した。私が知っている日本の国立大学に通う友人の中には、政治を悲観視し、「政治不信」を語る人が少なくない。このような情況の下、日本人の国に対する自信の源はどこから来るのだろうか?私は、そこに文化的自信が大きく関わっていると認識する。

 日本経済の吸引力は低下していても、世界中で日本語を学び、日本に留学する外国人学生の数は依然として増加傾向にある。私と一緒にサマーコースに参加した学生の中には、米国・英国・カナダ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・トルコなど実にさまざまな国の学生がいた。どの学生も日本のマンガ・アニメ、ゲーム、テレビドラマ、音楽などの流行文化に深い関心を抱き、よく知っている日本の有名スターを語る学生も珍しくなかった。日本の「文化力」は今や世界中で若者の「憧れ」となっているのだ。

 麻生太郎氏は首相就任前、「マンガの力」と題した有名な講演を行ったことがある。麻生氏は、日本が世界を今後リードしてゆくのは経済力ではなく、「文化力」であると指摘した。とりわけマンガを象徴とする日本独特の流行文化は、自国の魅力を世界に伝える日本のイメージと成りうる。「文化力」に賭ければ、日本は世界で存在感を失うことなく、世界中により日本の存在を認識させることができるだろう。(編集HT)

 「人民網日本語版」2009年4月1日

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