中国イスラム教徒1.3万人、メッカ巡礼に出発
中国イスラム教徒メッカ巡礼団を載せたチャーター機第一便が18日、定刻通りに蘭州中川空港を飛び立った。同日からイスラム教徒1万3千人が続々、蘭州、北京、ウルムチ、銀川、昆明の各地からサウジアラビアのメディナ空港に向かい、メッカで巡礼をおこなう。巡礼者の数はここ数年の最多となる。メ新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国のイスラム教徒は約2千万人。主に新疆、青海、甘粛、雲南、寧夏に住む。巡礼はイスラム教徒の5大義務のひとつで、中国イスラム教にとって一大海外宗教活動でもあり、イスラム教を信仰する10の少数民族と約20の省・自治区に関連する。毎年の巡礼は、全国のイスラム教徒の信仰心を高める作用をもっている。
メッカ巡礼をおこなう中国のイスラム教徒は年々増加している。2007年に初めて1万人を突破、昨年は1万2700人、今年もさらに増えた。
巡礼者の増加は、中国民衆の経済力向上を反映している。イスラム教では、教徒が借金して巡礼することを禁じており、巡礼出発前に金銭の貸し借りは全て清算し、家族のために十分な生活費を残しておかなければならない。また、巡礼に行くためにチャーター機を利用し、計1カ月以上の期間を費やす必要があるため、ある程度の経済的基盤がないと、巡礼は実現し難い。
巡礼団を率いて過去に7回メッカに巡礼したことがある甘粛省イスラム教協会の馬有成副会長は、今年も甘粛省巡礼団副団長として8度目のメッカ巡礼に旅立つ。馬副会長は、「これまでは、ごく一握りの信者が、長年の間貯金をして、やっと巡礼を実現させていた。今は時代が変わり、多くの教徒にとって、巡礼費用はそれほど重くない負担だ」と話す。(編集KM)
「人民網日本語版」2010年10月19日