2010ネット流行語から探る中国社会
 

 2010年FIFAワールドカップ期間中、スタジアムの熱気と相まって、「給力」という言葉がネット上ではやり始めた。この「給力」という言葉がどこから来たのかというと、アニメ化された日本のギャグ漫画「西遊記---旅の終わり」の中国語版だ。オープニングで幾多の試練を乗り越え法師らが天竺に辿り着くと、いわゆる天竺には小さな旗があるだけで、「天竺」の二文字が書かれている。孫悟空はあきれて「これが天竺かー?すごいジミですね(不給力)、法師」。いわゆる「不給力」とは自身が想い描く目標と遠くかけ離れており、残念な気持ちを表す。「給力」はその反対で、うまくいったときの「やったー」といった気持ちや興奮した心境を表す。中国ではこの数年、「給力(gei li)」から派生した中国製英語「gelivable」も流行している。「Ungelivable」とは「不給力」。外国人には意味不明だが、ungelivableは中国のネットユーザーに広く受け入れられている。

 

 河北省保定市で10月16日夜に交通事故が発生、地元役人の息子がキャンパス内で車を高速で走らせ、1人が死亡、1人が負傷した。当事者は人をはねた後に逃走しようと、行く手をさえぎる群衆に向かってこう叫んだ。「訴えられるものなら訴えてみろ。僕のパパは李剛だぞ!」
 これはネットユーザーの怒りと関心を呼んだ。ネットユーザーらの怒りが冷めた嘲笑に変わると、「『僕のパパは李剛』造語大賞」イベントを企画するユーザーが現れ、多くの参加があった。たとえば「怖いものなんて何もない。だって僕のパパは李剛」。

 

 芸能界のスター・黄暁明さんが「One World One Dream」を歌ったとき、歌詞の中の「Not at all」の発音が中国語の「鬧太套(nao tai tao)」の発音に似ていたことからネットユーザーから冗談が飛び出し、「鬧太套」教祖の名がつけられた。この言葉はネット流行語のひとつとなり、多くのスターが自分の非凡をアピールしようとして失敗することを風刺している。

 

 「鴨梨」はプレッシャーを意味する「圧力」(ya li)と発音が似ている。ネットユーザーがピンイン(中国語の発音表記)で「圧力」を入力する際、意図してもしなくとも「圧力」が「鴨梨」となり、書き込みでマネをする人が相次いだ。「『圧力』を「鴨梨」にして食べた人が勝ち組だ!」なんて書き込みもある。中国人はますます遊び心を持つようになっている。「圧力」といううっ積した言葉に少し手を加えることで、やるせなさと面白さを表現している。
 

 

 「蒜ニー狠」と「算ニー狠」は同じ発音(suan ni hen)。「蒜ニー狠」はもともと蒜価格の高騰から来た言葉だが、肉、卵が値上がりした後にも人々は嘆いた。同様に緑豆が大幅に値上がりした後、ネットユーザーは「豆ニー玩」を発明した。「豆ニー玩」と「逗ニー玩」(dou ni wan)は発音が同じ。これらの言葉は食品価格が高騰する現状とそれに対する民衆のやるせなさ、憤りを示している。
 *ニー:「にんべん」に「尓」

 

 「囲ボー」とは本来マフラーに似た保温用衣類であるが、ミニブログを意味する「微博」(wei bo)の発音に近い。ミニブログは昨年から中国で広く知られるようになり、今年に入りブームが起こった。従来のブロガーと比べ、ミニブログのコンテンツはごく簡単なつぶやきで構成されているため、ユーザーにとって技術的なハードルが低く、また文章の体裁にもとらわれる必要はない。自分の心境を反映させるだけでよく、長い文章はいらず、更新も手軽で、ブログに比べて字数も制限されている。ミニブログは、ネットを騒がせている最近の事件で、そのスピーディーさとリアルタイムな特徴を発揮し、今日のインターネット生活における役割がますます高まっている。
*ボー:「にくづき」に「孛」

 

 芸能人あるいは芸能界を目指す人が、芸能界で幅をきかせギャラを得るため、自身の容姿を整形し芸能界で生き残るための現象を指す。しかし亡くなったり、容姿が醜くなるなどさまざまなリスクを伴う。 <関連の特集

 

 結婚適齢期になっても独身である男女を指す。結婚はかつて、「親の命じる事、媒酌人の言う事」に従わなければいけない時代もあったが、社会の発展に伴い、現代の若者は自由に自分のパートナーを選択するようになっている。だから、現在の若者は結婚を急いではいない。また、生活費(主に住宅費)の上昇、仕事上のストレス増加、相手からの高すぎる期待などにより、適齢期の男女は結婚に対してますます慎重になっている。<関連の特集

 

 女装し、まるで女性のように美しい男性のことを指す言葉で、この概念はもともと日本のアニメ・漫画から来ている。「偽娘」という言葉は中国のアニメ・漫画ファンによる造語と考えられているが、確かな証拠はない。ネット上では、女装した男性や、女性化している男性のことを指す。<関連の特集

 

 もともとは言葉使いや視線の鋭いさまを指していたが、現在ネット上では気迫があったり、圧倒的な勢いを持つさまを示すようになった。<関連の特集

 

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