原発作業員、心情を吐露「業務を拒めば失職」
各海外メディアは、福島原子力発電所で緊急作業にあたる作業員を「自らの命を賭した英雄」であり、放射能が漏れ続ける原子力発電所で見えない敵と闘う勇者である、とこぞって褒め称えた。
しかし、震災発生から1カ月経った今も、このような危険と隣り合わせで単調な努力が実を結ぶ兆しは見られない。多くの「決死の覚悟をした英雄」は、その胸の内を明かしはじめた。彼らが自らの意思で作業に取り組んでいることは事実だが、業務命令を拒むわけには行かず、仕方なく危険を冒しているという部分もあることは確かだ。
福島第一原子力発電所に派遣されたある作業員(40)は、「本当は福島原子力発電所で作業したくなかった。しかし、業務命令に背けば、職を失ってしまう」と胸の内を明かした。
わずか2万円足らずの日給で働くこの作業員は、「時給数万円の報酬を得ている作業員もいると聞いている。我々の報酬は以前と変わらない。というもの、我々の勤める会社が東京電力のパートナー企業だからだ」と語った。
ある東京電力の社員は、「また福島原発に派遣されるかもしれない」と妻に告げた。この社員は、震災発生後、原発内に泊りこんで数日間作業を続けた。最近やっと帰宅できたが、東京勤務であっても、早朝から深夜まで仕事に追われ、家族とゆっくり話をする暇などないという。彼は、「現時点で健康面での問題が現れていなくとも、今後ずっと健康でいられると誰が保証できるのか」と不安な心境を語った。 (編集KM)
「人民網日本語版」2011年4月14日