なでしこジャパン優勝で中国サッカーが再考すべきこと
遅れを取ること2回、同点に持ち込むこと2回、最後は過酷なPK戦の末、勝利の女神はついに女子代表「なでしこジャパン」にほほ笑んだ。女子サッカーワールドカップ大会のチャンピオンに日本が輝いたのは初めてで、アジア勢初の優勝でもあった。中国女子サッカーチームが1999年のワールドカップで準優勝に輝いた栄冠はまるで遠い昔のことのようだ。「なでしこジャパン」は、「鉄のバラ」と当時呼ばれた中国チームを悠々と追い越した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
お互いの闘志がほとばしる決勝戦。技量、戦術、メンタル状態を綜合的に見て、過去に3度決勝進出を果たし、2回チャンピオンに輝き、心理的に一歩リードする米国チームを前にしても、なでしこ達は疲れなど知らない様子でフィールドを賭け回った。その姿はまるで、孫雯選手や劉愛玲選手ら往年の「中国の鉄のバラ」の影を見るようだった。米国に2度先を越されたが、2度とも点を取り返したなでしこの比類ない精神は、想像を絶するものだった。PK戦に臨んだ彼女らの笑顔、リラックスした様子、素晴らしいメンタルタフネス、どんなことも可能とする信念?彼女らは世界女子サッカーにひとつの新しいイメージを確立し、アジア女子サッカーを世界トップレベルに高め、アジア女子サッカーの発展に強いエネルギーを注ぎ込んだ。
日本男子サッカーもここ数年、著しく成長している。昨年南アフリカで行われたワールドカップ大会では、パラグアイにPK戦で惜しくも敗れ、ベスト8進出は果たせなかったが、ベスト16入りは日本男子チームにとって海外大会最高成績となった。さらに、計画性に秀でた日本男子サッカーは、2050年までにW杯チャンピオンの座を勝ち取るという目標を掲げた。日本女子サッカーの飛躍的成長が、男子サッカーの成長の影響を受けていることは明らかだが、W杯の優勝は、女子がひと足先に実現した。
日本のサッカーはこれまでずっと、中国と比較され続けてきたが、日本の飛躍と中国の転落は、鮮やかなコントラストをなしており、中国サッカー関係者が再考を要する問題といえよう。
中国サッカーが転落した原因は、一体どこにあるのだろうか?これは実は、過去にも度々取り上げられてきた話題だ。▽サッカー人口があまりにも少ないこと(中国の女子サッカー登録選手はわずか400人)▽多くの中国人はサッカーに対して受動的で、サッカーを自ら楽しむスタンスではないこと▽ワールドカップ大会やオリンピックに見られる功利的なサッカー理念が足を引っ張っていること▽世界各国で女子サッカーが目覚ましい成長を遂げたこと(全世界の女子サッカー選手数は2900万人)--などにより、1990年代に世界の女王の座に座り続けた中国女子サッカーの強さは、今ではその片鱗さえ見えなくなっている。(編集KM)
「人民網日本語版」2011年7月19日