中国河北省農村で伝えられてきた白毛仙女の伝説が、海を隔てた東の隣国・日本の芸術家の手で改編され、初版バレエ「白毛女」が誕生した。以来、56年という歳月が経ったにも関わらず、この作品は、多くの「80後(1980年代生まれ)」や「90後(1990年代生まれ)」の若き中国人の心に大きな感動を呼び起こした。松山バレエ団による新版「白毛女」中国巡回ツアーが上海大寧劇院で9日夜にスタートした。カーテンコールの時に、感動の「舞台の外のドラマ」が再び上演された。解放日報が伝えた。
▽56年の歳月を経て
「白毛女」を最初にバレエの舞台に持ち込んだのは日本の松山バレエ団であることを、ほとんどの中国人観客は知らない。1950年代末、「白毛女」がきっかけで、松山バレエ団と中国との半世紀あまりに及ぶ交流と往来がスタートした。9日に上演された「白毛女」は、56年前の世界初演版から全く新しくなったリニューアル版で、上海バレエ団版「白毛女」の音楽が初めて採用された。舞台の主役を務めるのは、松山バレエ団のプリンシパル・森下洋子さんと清水哲太郎氏という「国宝級」芸術家コンビだ。芸術活動61周年を迎えた森下さんが舞台に姿を現すと、舞台は比類なき風格と気高いオーラに包まれ、生き生きとした喜び溢れる空気が四方八方に広がった。森下さんは、一人の人間の運命や性格の変化を、磨き抜かれた技とともに迫真の動きで表現した。パートナーを務める清水氏も、年齢を重ねたとはいえ、舞う姿を通じて若々しさや男らしい勇ましさを存分に表現した。
出演者が客席からのカーテンコールに応えた時、予想外な出来事が起こった。出演者全員の前に並んだ麻彩、小野、岩山ら各代表が、半世紀の間に凝集された「白毛女」に対するエピソードや中国への思い入れについて、全て中国語を用いて「リレー方式」で述べ始めたのた。中国人の観客が、「白毛女」にまつわる誇りに埋もれた歴史について、当事者や関係者の口から直接聞いたのは、今回が初めてのことだった。
[1] [2]