日本のカラオケVs韓国のキムチ、各国の文化発展計画を紹介
文化とは一つの国家と民族の特異性を示す重要なシンボルであり、人々の精神的支柱、幸福の源である。文化は総合的国力を示し、国家のイメージや国民の精神を形成する。現在の社会の発展において、文化は経済成長を直接うながすと同時に、経済発展の品質を決める要素でもある。21世紀になり、多くの国家が新たな発展戦略を策定すると共に、文化を重要な要素として位置づけ、文化繁栄により国家の発展を促そうとしている。北京晨報が報じた。
◆各国の文化立国戦略
敗戦後、日本は「経済立国」という国家発展戦略を打ち出し、70年代に世界第2の経済大国となった。しかし90年代に日本の工業経済が突如衰退すると、95年に新たなスローガン「文化立国」を発表した。2003年、日本は文化産業を工業と同様に重要な、国民経済の基礎産業として定めた。
日本の文化製品は10数年間で、7−80年代の自動車やハイテク製品と同様、全世界を席巻した。アジアで大人気のテレビドラマ、世界各地の家庭に進出したカラオケ、子供たちに人気のアニメ、世界的に高い地位を占めている音楽、映画、ファッション等がある。
文化立国は事実上、21世紀の国家発展の根本的思想となっている。2007年に策定された「日本文化産業戦略」は、「文化産業はわが国の経済利益に直結するのみならず、ソフト力により外国人を引きつることで得られる外交利益とも結びつく」としている。
アジアで発展に成功したもう一つの国である韓国は、1998年のアジア金融危機で景気低迷に陥った。韓国もまた文化立国戦略を打ち出し、文化産業を21世紀の国家経済発展の支柱とした。
韓国のテレビドラマや映画をはじめとする韓流がアジアを席巻し、世界に進出している。これに伴い音楽、ファッション、飲食等の文化が浸透を開始している。これにゲーム、アニメ、イベント、デザイン、出版、教育等の産業が続いている。
かつて韓国等と合わせて「アジアの4小龍」と称されたシンガポールは、80年代末に段階的な文化発展計画の制定を始めた。シンガポールは2000年に「文芸復興都市計画」を制定し、シンガポールを「21世紀の文芸復興都市、すなわち国際文化中心都市の一つ」に発展させるとした。主要目標は、シンガポールを地区の文化・デザイン・メディアの中心とすることだ。これらの計画により、シンガポールは工業経済から知識経済への変革に間に合うことができた。
現代科学技術の発展は人々の物質的生活レベルを向上させているが、精神的生活の需要を満たすことができない。文化繁栄は、人類の精神生活レベルを向上させる、唯一の方法である。人類文明の進歩の歴史は、国家の繁栄には文化の繁栄が不可欠であることを証明している。精神的世界の豊かさ、文化創造力の発揮がなければ、その国家と民族が長期的に世界の先頭に立つことはありえない。