中国で短篇集を出版、阿刀田高インタビュー
阿刀田高の言うように、現代の作家は長編小説の執筆を重視し、短編をないがしろにしている。しかし同氏は短編小説を40年以上に渡り書き続けている。日本では「短編小説では家が建たない」という言葉があるが、同氏はその常識を覆し、「私は少しばかり損をしたが、短編を書き続ける」と語った。新京報が報じた。
--今回は4冊の短編小説集(「黒い回廊」「青い罠」「白い魔術師」「赤い誘惑(日本語名:甘い闇)」)を出版されましたが、書名と色の関係に特別な意味がこめられているのでしょうか。
阿刀田高:特別な意味がこめられているわけではないですが、色により内容を分類しました。男女の愛は赤を、恐怖については黒をといった具合です。
--どの色が最も好きですか?
阿刀田高:黒が一番好きです。私は恐怖に包まれる感覚というものを重視しており、それを表現するために黒が最も適当なためです。
--阿刀田氏の作品はカテゴライズが困難とされていますが。
阿刀田高:私はさまざまな創造力を発揮できればと思っているので、無理に分類する必要はありません。仮に分類するならば、私は短編小説の作家でありたいと思います。ちょっとしたインスピレーションがあれば、短い小説を書くことができます。
--阿刀田氏の作品を読むと、対話文を多用されていることが分かります。これは作品にとって必要なのでしょうか、それとも個人的な習慣でしょうか。
阿刀田高:日本の小説の中で、対話文は一種の記号です。私は対話そのものが小説だと考えています。例えば、「愛している、結婚しよう」と言う場合、表現の仕方は人それぞれですので、その表現方法を描写することにより性格を表すことができます。100組のカップルがいれば、100種類の表現方法があります。対話文は人物の性格に合致しなければならず、小説の最も基本的なテクニックです。