青島 警察幹部まで取り込んだ暴力団トップに死刑判決
1949年以来、山東省青島市で暴力団組織が起こした最も大きな事件といわれ、警察の関与まで明らかになり激震を起こした「聶磊事件」の公開一審判決は19日、同市の中級人民法院(地方裁判所)で行われ、暴力団のトップ・聶磊被告に死刑判決が言い渡された。同時に、政治的権利の終身剥奪、個人財産の没収も告げられた。中国共産党の機関紙「人民日報」が報じた。
裁判所の審理では、聶被告は1995年以降、獄友や隣人、親戚などである姜元被告や盧建強被告、史殿霖被告、王群力被告らと手を組み、不動産会社「青島群力置業有限公司」を設立、同市で「紅星遊戯城」などゲームや賭博が行える場所を設置し、多額の利益を上げていたことが判明。1998年以降、聶被告らは勢力を拡大させるため、退職者や強制収容所・地方政府の労働教養管理委員会などの人員を募集し、開設した組織の人数を段階的に増加させ、成員の役割を明確にして組織の構造を強化、「聶磊会社」と呼ばれる犯罪組織を確立させた。
聶被告とその犯罪組織の性質を帯びた組織は、「如意大厦(ビル)」などいくつもの不動産を次々に開発・販売し、売春クラブや地下賭博施設などを経営して、巨額の利益を獲得。経済資金の調達に成功した後、暴力団を設立し、言いがかりをつけてトラブルを起こしたり傷害事件を起こしたりするなどの犯罪活動を大々的に展開。十数年の間に起こした犯罪は40件以上に達し、2人を殺害、1人に重症を負わせた。その他、拳銃1丁を違法売買、13丁を違法所持していた。
捜査ではさらに、聶被告とその犯罪組織は、組織の成員に報酬や高級車、通信機器、拳銃など経済的サポートを与えることで、自身の権威を確立し、巧みに成員の心をつかみコントロールしていたことが判明。さらに、ライバル会社などに圧力をかけた際も、同市の公安局長ら警察の幹部までも取り込むことで(この案件は別件として審理中)、組織の成員が法律による制裁を受けるのを免れることができるよう取り計らい、経済秩序や社会の生活秩序を著しく乱し、社会に重大な危害を及ぼした。
裁判所は、聶被告が犯罪組織を組織したトップで主導者と判断。法律に基づき聶被告は自身が率いる組織が起こしたすべての事件の責任を負うべきで、自身も犯罪を重ねていたため、厳罰は免れられないと指摘。犯した罪を素直に認めているものの、罪の重さを総合的に考えると、情状酌量の余地はないと判断。聶被告に死刑判決を言い渡した。そして、生涯中の政治的権利も剥奪された。
「聶磊事件」にまつわる他の事件に関しても3月末までに、同市の市南区、四方区、李滄区、ラオ山(ラオはやまへんに労)区、城陽区などの裁判所で審理され、公開判決が行われる予定。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年3月22日