中国、国境地域に外国人拘留・送還所を設立
中国は、入国が便利なことから外国人の「三非(不法入国・不法滞在・不法就労)」問題が深刻化している都市や国境地域にある省・自治区に、外国人拘留・送還所を設立する計画だ。これにより、「三非」外国人の拘留や強制送還が難しかったこれまでの状況が大幅に改善される見込み。公安部の楊煥寧副部長が25日、全国人民代表大会常務委員会で、外国人の出入国・居留管理業務に関する報告を行った際に明らかにした。北京の地元紙・新京報が伝えた。
▽不法入国管理 不法入国しようとした外国人を拘留する場所が無かった
全国の公安機関出入国管理部門が調査・処分した「三非」外国人の人数は、1995年に初めて延べ1万人を突破、2011年には延べ2万人に達した。
楊副部長は、「『三非』外国人の管理はかなり難しい。ビザを所持して合法的に入国した後、ビザで認められた滞在期間を過ぎてそのまま不法に滞在・就労するケースや、国境を接している隣国から不法入国するケースが目立っている」と話した。
「公安機関は、不法入国・不法滞在外国人を拘留・審査・強制送還する場所を備えていない。各地の留置所は軒並み、拘留のためのスペース不足や外国語を話す幹部不足に悩まされている。外国人が不法入国し、違法と知りつつ故意に不法滞在していることが発覚し拘留され、自分の本当の身分について明かそうとしない場合、当人が国籍を持つ駐中国大使館・領事館に問い合わせて身元検証を行う作業は、あまりにも時間かかり非効率的だ」と楊副部長は指摘。「監督管理・事実確認・強制送還の利便化」の原則に基づき、外国人の「三非」問題が深刻な都市や国境地域にある省・自治区に外国人拘留・送還所を設立し、「三非」外国人の拘留・強制送還が難しいという現状を改善する方針だ。