中国国家質量監督検験検疫総局(質検総局)と国家標準委員会が発表した紙コップに関する国家基準が、6月1日より実施される。同基準には、紙コップの「上部15ミリ以内、底から10ミリ以内」への印刷やリサイクル材料を用いた紙コップの製造を禁止する規定が初めて盛り込まれた。北京の地元紙・新京報が報じた。
▽紙コップの口周り部分(上部15ミリ以内)は印刷禁止
中国にはこれまで、使い捨て紙コップに関する基準は業界基準だけで、国家基準は無かった。今回定められた国家基準(GB/T27590-2011)では、紙コップに用いられる原材料、添加物、包装、印刷などについて、消費者の安全保障を目的として、より高いハードルが設けられた。
最も注目を集めているのは、初めて設けられた印刷の位置に関する規定だ。紙コップの表面に印刷されるデザインは、アウトラインが明瞭で、色合いが均一、色ムラがないことが求められ、さらに、「上部15ミリ以内、底から10ミリ以内」は印刷してはならない。
国際食品包装協会常務副会長兼事務総長の董金獅氏は、「コップの口周りへの印刷を禁止したのは、消費者の身体的安全の保護を踏まえた上での措置だ」と指摘した。董氏によると、国内には今のところ、食品級印刷用インクというカテゴリーは存在しない。同様に、食品と接触する製品に使用可能な印刷用インクも皆無という。紙コップに入った飲み物を飲むとき、唇がコップの口に触れる。その部分に印刷があれば、インクが飲み物と一緒に体内に取り込まれる。特にベンゼンが含有されているインクは、人体に害がある。また、紙コップは重ねた状態で販売される場合が多く、コップの底に印刷があると、重ねた時に別のコップの内部インクが付着する恐れがある。このため、底部の印刷も禁止された。
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