李宗遠氏「中日国民間の信頼、名古屋市長らの発言で打撃」
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中国人民抗日戦争記念館(北京)の李宗遠副館長は2日、「人民日報」のニュースサイト「人民網」を訪問。今年は中日国交正常化40周年に当たることを機に、中国の愛国主義教育と正しい対日観をテーマに自らの考えを語り、「今年の初めから、中日間の歴史問題と領土問題が相次ぎ、両国の政府間だけでなく民間の間にも波紋が広がっている」と指摘した。「人民網」が報じた。
李氏のコメントの要旨は以下の通り。
日本は近代史において、侵略戦争を10回も起こし、中国に甚大な損失・被害をもたらしたため、中日両国間の関係は非常に複雑だ。戦争はすでに遠く過ぎ去ったが、その傷は今も中国国民を苦しめ続けている。
中日国交正常化40周年であると同時に、日中戦争勃発(1937年)のきっかけとなった「盧溝橋(ろこうきょう)事件」が起きてから75年目に当たる今年、どのように歴史と現実に向かい合うかは、我々が直面している難題だ。中日両国は歴史を教訓として未来に向かうという原則に基づき、この特別な年を「中日友好交流年」に指定した。
ただ、今年に入り、名古屋市の河村隆之市長が2月に、南京市の政府関係者との会談で「南京大虐殺」について言及し、「そのようなことはなかったのではないか」と発言したり、東京都の石原慎太郎都知事が4月に、尖閣諸島(中国名・釣魚島)を東京都が購入するという意向を示したりと、中国にとっては思いもよらない問題が噴出。せっかくの友好交流年であるのに、歴史問題と領土問題が錯綜し、両国の政府間だけでなく民間の間にも波紋が広がっている。
ちょうど75年前に日中戦争勃発がしたという歴史の観点から見ると、まず我々は歴史を忘れてはならず、河村市長の南京虐殺を否定するような発言は決してあってはならない、と私は考えている。あのような発言は中国人の心の傷に塩を塗るようなもの。その歴史問題のあとに、石原都知事の尖閣諸島購入発言と領土問題が折り重なった。そのため、中日両国の政府間から民間の間の交流にまで影響が及んだ。特に民間という面では、国民の相互信頼が大きく揺らいでいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年7月4日