中国、農村部でも格差深刻 警戒ラインに迫る
中国の農村部で暮らす住民のジニ係数は2011年に0.3949に達し、世界で社会騒乱多発の警戒ラインとされている0.4に迫っていることが、華中師範大学(湖北省武漢市)中国農村研究院がこのほどまとめた「中国農民経済状況報告」で明らかなった。貧富の格差は、都市部と農村部の間だけでなく、農村部の中でも起こっており、人々の懸念が高まっている。中国国営の「新華社通信」のウェブサイトが報じた。
ジニ係数とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標で、係数の値が0に近いほど格差が少ない状態。
同報告は、農村部住民6000世帯を対象に、過去3年間の現金収入をサンプリング調査した結果をまとめたもの。
調査結果によると、收入が最も多かった回答者20%と最も少なかった20%の平均収入の差が10倍に達した。
同研究院の執行院長は同報告発表会で、「工業従事者と農業従事者の收入の差が農村の中で格差が広がっている主な原因。農村部住民の所得格差の拡大は中国社会の工業従事者と農業従事者の格差や都市部と農村部の格差が農村部の中でも生じていることの表れ」と指摘。
国際連合の関係組織は、ジニ係数0.5以上を收入格差が「深刻な状態」と規定しており、社会が不安定になる可能性が一層拡大するとしている。
学者らは、中国の農村部の貧富の差拡大は、收入の増加に伴って出現している問題で、発展途上の「悩み」と指摘。発展を続けるしか解決の道はないとしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年8月22日