英紙「中国人は豚肉が大好き」 背後に過去の苦い思い出?
英紙ガーディアンの公式サイトは23日、「中国人は豚肉が大好き」とする記事を掲載した。環球時報が報じた。
以下は同記事の主な内容。
上海市の主要水源の一つである黄浦江で最近2週間、1万6千頭を超える豚の死体が発見された。中国政府は未だに同問題の真相について正式な説明を行っていないが、豚の耳から「嘉興」という烙印が発見されており、上海に隣接する浙江省嘉興市の農家が捨てたものではないかと見られている。同市は養豚業が盛んな街だ。
同事件に対して、市民は憤りを隠せない。一方、筆者がまず感じたのは「失望」だった。筆者は昨年、工場化された養豚場の繁栄を取材するために、浙江省を訪問した。今回、川から大量の豚の死体が発見されたニュースには、目が飛び出る思いで、非常に恐ろしいことだ。この事件は、発展途上国で急速に発展する肉産業が地球全体に与える影響を浮き彫りにしている。
世界的な人口爆発や人々の収入増加に伴い、人々が口にする肉の量も増加の一途をたどっている。1999年、世界で生産された食肉は計2億1800万トンで、2030年には3億7600万トンにまで増加すると見られている。中でも、中国人は特に豚肉が大好きだ。毛沢東主席も豚の角煮が大好物だった。中国で生産・消費される豚肉は世界の半分を占めており、2011年は約5000万トン。国民一人当たりの消費量は、1980年の4倍になっている。
急速に増大する肉類の需要に応えるため、畜産業も急速な変化を見せている。中国では、田園地帯の中に「豚小屋」と呼ばれる養豚場を作るのが伝統的な方法だったが、今では、養豚の集約化が進んでいる。しかし、この方法も、飼料を豚肉に変えるエネルギー効率は牛肉のそれを大きく下回るなど、効率が悪いという欠点を抱える。また、集約化が進むと、ウィルスの温床となってしまうほか、大量の抗生物質が使用されるため、ウイルスが変異し、薬剤が効かない「薬剤耐性」を持つようになる原因をも作り出してしまう。
筆者がベジタリアンであることに、中国の友人は当初、困惑気味だった。中国は仏教の文化が深く染み渡っている国であるが、「精進料理」を好む中国人は少なく、野菜中心の食事は外国の文化と捉えられている。中国人の心には、肉を食べることは国の発展と関係があるという考えが刻まれている。20世紀半ばに、2000万-5000万人もの人が餓死したとされる、大飢饉を経験した中国人にとって、「地球や自分の益という観点から見て、今の人々が食べる肉は多すぎる」という考えは、受け入れがたいようだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月25日