中国、今年は「史上最悪の就職難」か
北京地区の大学卒業生の就職内定率は28.24%であることがこのほど、2013年北京卒業生就職斡旋工作会で明らかになった。内訳は、大学院生36.59%、学部生26.6%、専科生16.84%。中国教育部(教育省)のデータによると、今年に全国の大学を卒業する学生は、2012年比19万人増の699万人に達し、新中国成立以来最多となる。大卒生の就職状況の「風見鶏」的存在である北京地区の卒業生は、「生計を立てる糧」を得るため、就職活動に奔走する日が続いている。2013年は、史上最悪の就職難の年となるかもしれない。光明日報が報じた。
■募集ポストの待遇と重要性、例年に及ばず
あと2カ月もすると、今年の新卒生は、キャンパスを離れ社会人の仲間入りをする。しかし、本来ならば全員が限りない未来への希望に満ちているはずのこの時期に、「どの会社からも内定がもらえなかったらどうしよう」と心配している学生が非常に多いのが実情だ。
北京市教育委員会の付志峰・副主任は、このほど開催された北京市大学卒業生就職斡旋工作会において、「北京地域の大学卒業生は、ここ数年増加の一途をたどっている。今年は、昨年より約9千人多い22万9千人に達し、就職面での圧力は極めて大きい」と述べた。各企業は、かなり早い時期から、新卒採用業務をスタートさせたが、募集ポストは、数・質ともにやや低下している。このうち、民間企業の募集ポスト数は大幅に減少、全体的に見ても、募集ポストの待遇・重要性ともに、例年に及ばない内容になっている。
■企業の求人が減少
北京市人力(HR)社会保障局の張祖徳・副局長は、「中国の経済成長がこのところ減速しており、求人が減っている。従来の就業ポストは飽和状態に陥っているため、求人数が減っている。一方、一部の卒業生の就職と事業との結合性や仕事内容に対する要求が高まっていることも、就職難に拍車をかけている」と指摘した。
専門家は、「大卒生の就職難の背景には、経済情勢や需要の変化などの要素のほか、構造的・観念的な原因も存在している。北京の大学出身の卒業生は、市場に適応しようという意識が低く、職業の選択基準があまりにも高く、末端層での仕事を望まないことから、『仕事はあっても就職しない』結果に終わるケースもあり得る」と分析した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月6日