就職難の中国、博士卒の希望月収わずか6千元
過去最多となる大学卒業生699万人が今夏、就職戦線に立ち向かう。昨年就職がかなわなかった既卒者もこの就職戦線に加わり、今年は過去に類を見ない「最も厳しい就職氷河期」になると言われている。北京青年圧力管理サービスセンターが29日に発表した「2013年中国大学生の就業圧力に関する調査報告」によると、今年の大卒生の就業難は、より厳しい傾向にあるという。また、彼らの間に、「希望月収の持続的低下」や「幸福感の全体的低下」といった現象が生じている。さらに、「大学院受験」がブームとなっている一方、「創業熱」は表面的なものに過ぎず、実際的な行動はそれほど伴っていないことが報告で明らかになった。北京晨報が伝えた。
■希望月収は低いまま
同センターが5年前から行っている就業圧力に関する調査によると、大卒生の就業圧力指数は、昨年が16.93ポイントと過去最低、今年は18.17ポイントとやや反発したものの、2009年の最高(19.12ポイント)に及ばず、「最も厳しい就職氷河期」という事実を裏づけている。
高まる就業圧力のもと、卒業生が希望する月収は低ゾーンを保っている。調査回答者の希望月収が集中したゾーンは、3千元から5千元(約5万円から8万3千円)だった。このうち専科生の平均希望月収は3444元(約5万7千円)、学部生は3494元(約5万8千円)、修士課程大学院生は4879元(約8万1千円)、博士課程大学院生は6千元(約9万9千円)。
昨年のデータと比べると、専科生の希望月収は500元(約8300円)上昇、学部生と修士課程院生の希望月収はほぼ横ばい、博士課程院生は1160元(約1万9千円)減少した。北京青年圧力管理サービスセンターの熊漢忠・主任はこれについて、「就業情勢がいっそう厳しくなり、学生の希望月収が一段階下がったことの現れだ」と説明した。
熊主任は、「高まる就業圧力に対応するため、大学生はつい消極的な姿勢となり、圧力を効果的に緩和することができなくなっている。就活中の大学生は、前向きに考える・自分の長所をアピールする・入念に事前準備する・早めに支援を確保するなど、厳しい情勢に対する積極的な対応策を強化すべきだ」と指摘した。
■ブームは「大学院受験」、冷めているのは「創業熱」
調査によると、今年、大学院を実際に受験する大学生数は、過去最高の180万人に達し、これは、卒業生総数699万人の25.8%を占めた。しかし、今回の調査で、「卒業後は大学院への進学を予定している」と答えた人はわずか12%と、希望と現実が大きく隔たっている事実が明らかになった。熊主任は、「本当は大学院への進学を希望していない学生も、周囲に流され、大学院を受験している。また、就職難から一時的に逃れたいという気持ちも、大学院受験ブームに追い打ちをかけている」とこの情勢を分析した。