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中国、小規模都市・町の定住制限を全面撤廃

 国家発展・改革委員会(国家発改委)の徐紹史主任は26日、第12期全国人民代表大会常務委員会第3回会議において、「国務院の都市化建設状況に関する報告」を発表した。報告によると、中国は、小規模の城鎮(市・町)と城市(都市)における定住制限を完全に撤廃し、中規模都市の定住制限を段階的に緩和し、大都市での定住制限条件を少しずつ緩める方針。また、大都市の定住条件をより合理化し、条件を満たす農業からの転職者の都市への移住を段階的に進める。専門家は、「この報告は、中国各種都市の都市化プロセスについて、中国政府が初めてその経緯と方向性を明確に打ち出したもの」と評価した。新京報が伝えた。

○3年間で農村人口2505万人が都市部に定住

 報告によると、中国各地は、戸籍制度改革を前向きかつ確実に進めている。2011年、「戸籍管理制度改革の積極的で堅実な推進に関する国務院弁公庁の通達」が発表・施行された。国家発改委や人力資源(マンパワー)・社会保障部など関連部門は一連の措置を発表、18省(自治区・直轄市)が具体的な実施に関する意見書を発表、14省(自治区・直轄市)が統一的な都市・農村戸籍登録制度を確立し、農業従事者が都市部に定住するための最初のルートを切り拓いた。公安部の統計データによると、2010年から2012年の3年間で、全国で都市部に定住した農村人口は2505万人に達し、年間835万人が都市に移住した計算となる。

○今後の課題は特大都市の定住条件合理化

 都市化は今後、どのように発展していくのだろうか?国家発改委の徐紹史主任は、「まず重要なことは、農村人口の都市部への移住を、秩序立てて進めることだ。各地方の実情に応じ、段階的に推進し、現在の移住者を優先させ、その次に数量を増やしていくという原則にもとづき、農村部住民を重点対象とすると同時に、異郷で就業する都市部住民にも配慮し、戸籍制度改革と基本公共サービスの平等化を全体的に進めていく。小規模の城鎮(市・町)と城市(都市)における定住制限を撤廃し、中規模都市の定住制限を段階的に緩和し、大都市での定住制限条件を少しずつ緩め、大都市の定住条件をより合理化し、条件を満たす農業からの転職者の都市への移住を段階的に進める。また、義務教育、就職斡旋、基本医療、保障性住宅(低・中所得者向け住宅)などの社会サービスが、都市部住民全てに行きわたるよう尽力する。

○都市部常住人口の合理的な住宅ニーズを保障

 徐主任は、「最も厳格な耕地保護制度と用地節約制度を実施することで、都市化のための用地ニーズを合理的に満たす必要がある」と指摘した。持続可能な都市公共財政システムと投資・融資制度を確立し、都市常住人口をあまねくカバーする基本公共サービスと都市部のインフラ建設に必要な資金調達を保障しなければならない。

 また、市場における配置と政府による保障が結びついた住宅制度を打ち立て、総量的にほぼバランスの取れた、構造面で理にかなった、住宅価格と消費力が釣り合った住宅の需給構造を形成し、都市住民の合理的な住宅ニーズを効果的に保障する必要がある。

【解説】

○始めて明文化された都市化プロセス


 報告では、小規模の城鎮(市・町)と城市(都市)における定住制限を完全に撤廃し、中規模都市の定住制限を段階的に緩和し、大都市での定住制限条件を少しずつ緩め、大都市の定住条件をより合理化し、条件を満たす農業からの転職者の都市への移住を段階的に進める」との方針が明確に打ち出された。

 中国社会科学院工業経済研究所の陳耀主任は、「中国の都市化プロセスは、このような道筋に沿って進められてきたが、はっきりと文章化されたのは、今回が初めてだ」と指摘した。

 今のところ、中国の都市化率は、国際水準よりかなり低い。大まかな推計によると、都市化率は年1ポイントずつ上昇し、2030年までに全人口の7割が都市部に居住する見通し。しかし、現時点ではっきりとしたタイムテーブルは得られにくい。

○「農民工の市民化」における2大問題

 北京などの特大都市については、都市化の足並みはどうしてもスローにならざるを得ない。陳主任は、「農民工(農村から都市部に出て働く臨時就労者)」の市民化には、主に以下2点の問題がある」と指摘した。

 1 各都市が、市民化のためのコストを負担できるかどうか。市民化を実現するためには、公共サービスの均等化が不可欠だ。これは即ち、社会保障、教育、医療、住宅など各分野のニーズであり、これらの全体コストを見積るのは、地方政府の役目である。以前、ある研究者が、「農民工1人が市民化するためのコストは約20万元(約320万円)」と試算した。陳主任によると、地域経済発展は、地方によってかなり大きな格差があることから、科学的に裏づけられた数値を出すことは不可能という。

 2 都市の管理体制が市民化に追いついて行けるかどうか。大都市で市民化が解禁されると、管理革新をいかに実施するかが一大問題となる。北京・上海などの大都市において、農村からの戸籍の移動がいったん認められると、大量の農村住民が都市に流入し、都市の経済・社会発展に非常に大きな打撃がもたらされる。このため、都市は、それに耐えうる経済・社会発展力を備えなければならない。今のところ、多くの都市は、現在の供給力を拠り所に、農民工の市民化問題の解決にあたっている。しかし、北京など大都市について言えば、戸籍移動の解禁には、長い時間をかける必要がある。

 陳主任は、「都市化は、段階的に進めなければならない。都市化について、人々はスピードだけを追い求め、質については考慮していないが、これは妥当とは言えない。現在の都市化において、17%は『偽りの』都市化に属しており、都市化率の数値は、事実より高くなっている。このため、この状況について人々に正しい認識を持ってもらうことが、優先課題であると同時に、非常に難しい問題でもある」との見方を示した。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年6月27日

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