日本で生まれ、東南アジアに広がる「マック難民」
地方から出て来た未婚の母親が、女の赤ちゃんを連れて、北京の某ケンタッキーで50日あまり泊り続けたというニュースが報じられた。同店の店員によると、お客を追い払うことは社内の規定により禁じられているという。この事件をきっかけに、ネットユーザの間では「ケンタッキーなどのファーストフード店は極めて良心的」という称賛の声が沸き起こった。実は、このような現象は最近始まったことではない。マクドナルドなどのファーストフード店で「宿泊」する人々のことを指す「マック難民」という言葉は、随分前に生まれている。
○日本で誕生、東南アジア各地に広まる
「マック難民」とは、「マクドナルド難民」の略語で、かなり以前に日本で生まれた。マクドナルドなど24時間営業のファーストフード店で「寝泊まりする」人々のことを指す。低収入ゆえアパートの家賃を払うことができない彼らは、街頭で野宿生活を送るよりも、冬でも暖かく居心地のよいマクドナルドでコーヒー1杯を買って宿代わりとするようになった。このような人々は、かつては「ネットカフェ難民」と呼ばれていたが、2006年にマクドナルドが24時間営業店を展開し始めた後、数百円かかるネットカフェより1杯百円のマックコーヒーの方が安いことから、ネットカフェからマクドナルドに「鞍替え」したのだ。
同じく2006年、マクドナルドは中国大陸部で24時間店第一号店をオープンした。某メディアは同年12月、「北京の24時間営業マクドナルドは、帰る家のないホームレス達の住処となった」と報じた。翌2007年、香港や韓国のメディアでも同様の報道が行われ、景気が低迷する中、値段が安く衛生的なマクドナルドを「住処」とする低所得者がますます増えた。