アジアのホワイトカラーは上司からの抑圧を許容
儒教の影響を色濃く受けるシンガポールや香港、台湾などのホワイトカラーは、「支配的な職場環境」や上司からの抑圧を許容しやすいという研究結果を、フランスオーデンシアナント経営学院のNikos Bozionelos教授らがこのほど発表した。「支配的な職場環境」に関する同研究によると、各国の職場文化が、従業員の「支配的な職場環境」の許容度に直接的な影響を与えている。新京報が報じた。
同研究によると、儒教の影響を受けたアジアの国では、多くの人が自分を犠牲にしてでも、チームの利益を優先しようとするのに加え、階級観念を受け入れているため、「支配的な職場環境」に対する許容度が高くなる。これらの地域では、業績を追求する風潮が中南米やサハラ以南地域などよりも強く、業績を向上させるためには「支配的な職場環境」を受け入れるべきと考えられている。
一方、英国や米国では、通常個人の才能が重視される。また、緊急を要する事態では、明確な意思疎通や高い業績を実現するために、職場の「支配的な行為」もある程度は受け入れられることもある。しかし、アルゼンチンやメキシコ、コロンビアなどの中南米諸国では、人との付き合いや物事に接する態度と企業の業績は別問題と考えられているため、「支配的な職場環境」は許容されない。
Bozionelos教授は、「研究の結果、業界や給与、性別なども『支配的な職場環境』への許容度に影響しているが、最も大きな影響を持つのは各国の職場文化であることが分かった。これは、多国籍企業が世界的なヒューマンリソースマネジメント対策や従業員の海外での業務を計画する上で重要な要素となる」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年9月3日