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東京都のある観光地の公衆トイレ。頻繁に行われる清掃によって清潔に保たれている。 |
日本では公衆トイレの清掃員のほとんどが40-50歳の女性であるため、自然と男性用トイレを掃除するのも女性になる。利用者の多い駅の男性用トイレでは、数十人の男性が一列に横に並び用を足している横で、女性清掃員がしゃがんで便器を磨いているという光景さえ見られる。それでも、男性も女性清掃員もその光景を不思議に感じることはない。女性清掃員は、仕事用の制服を着ていれば、いつでも男性用トイレに出入りできる。掃除をする時も、「清掃中」の表示を掲げる時もあれば、掲げない時もある。また、男性用トイレに入る前に「失礼します」と一言かける女性清掃員もいるが、用を足している男性は何の反応も示さない。
しかし、よく観察してみると、それなりの事情があることが分かる。例えば、毎日利用者が何十万人にも上る東京などの大都市の駅では、清掃員はトイレをきれいな状態を保つために、何度も清掃しなければならない。トイレの利用者が多すぎるため、トイレ掃除が終わるのを外で待ってもらうことも、利用者が途切れるのを待つこともできない。一方、オフィスビルなど、人が比較的少ない場所のトイレでは、使用している人が少ない場合、男性側が少し待ったり、女性清掃員が少し待ったりしており、何か問題が起きたということはほとんど聞いたことがない。男性用トイレの清掃を男性清掃員が担当することが少ないのは、習慣やコストの問題と関係があるだろう。日本の企業では、清掃など事務的なことは女性が担当する。女性清掃員を雇えば、男性用と女性用トイレ両方を掃除でき、コストの削減にもなるのだ。
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