「処女の血液採取」目的は食道がん研究
16日、北京大学腫瘍病院遺伝研究室で作業をする実験担当者。最近話題になった「処女の女子大生の献血募集」で採取された血液サンプルを用いて、ここで研究実験が進められる。 |
北京大学腫瘤病院遺伝研究室はこのほど、北京大学の電子掲示板(BBS)や北京師範大学の掲示板「蛋蛋網」で、「課題研究用に『静脈血』を提供してくれる、性行為の経験がない女子大生を募集中」と投稿したが、これらの書き込みはその後削除された。新京報が伝えた。
北京大学腫瘤病院の職員は16日、「志願者が募集定員に達したため、書き込みは削除した」と語った。血液サンプルの採取作業は、15日に全て終了したという。
○病院公式サイト上での募集では、適切な志願者を集めにくい
北京大学腫瘤病院の職員は、募集の経緯を次の通り説明した。
今回採取した血液は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の検査・予防・治療に関する研究に用いられる。大学の電子掲示板で血液提供者を募ったのは、新年度が始まったばかりの9月は掲示板に人が集まりやすく、その他の時期より応募者が増えるだろうと見越したことによる。当院では、長期にわたり、一部の臨床試験の志願者を募集している。だが、今回の募集対象者は、疾病にかかっていない健康な人に限定されたため、閲覧者の多くが患者である病院のサイトでは、適切な志願者を集めにくいと考えた。そこで、病院サイトの代わりに、大学の電子掲示板で志願者を募った。
書き込みを削除したのは、志願者が募集定員に達したことによる。15日に、数十人の血液サンプルを採取し、それまでに採取したものと合わせて、予定していた100人分の血液サンプルが集まった。とはいえ、統計学的に見ると、このうち標準化サンプルに合致しない一部は、研究対象から除外されるだろう。
○赤ん坊・未成年者の採血には、成年後見人の同意が必要
同職員は、次の通り説明を続けた。
大学の電子掲示板で血液提供者を募集したのは、今回が初の試みで、今後はさらに改善を要する。HPVに関連した腫瘤は、女性の腫瘍と密接に関連していることから、研究に用いる血液サンプルも、赤ん坊あるいは未成年の女性から採取する必要がある。しかし、そのためには成年後見人の同意を得なければならないので、今回は自分に決定権がある女子大生を募集対象とした。
採取された処女の女性の血液サンプルは、比較的罹患数が多い「食道がん」の原因を突き止める研究に使われる。当院は、罹患数の多い部位のがんに関する基礎研究に、十数年を費やしてきた。
食道の上皮細胞と子宮頸部の上皮細胞にはいくつかの共通点がある。子宮頸がんの発生はHPVと関係があることは、すでに明らかになっている。当院は、食道がんについても、HPVと関係があるのかどうかを突き止めようとしている。だから、HPVに感染していない女性の血液サンプルが必要となった。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年9月17日