過熱する南京不動産市場 購入諦めのアドバイスも
国慶節(建国記念日、10月1日)の連休期間には、観光地だけでなく、この時を狙って販売を開始した不動産の売り場にも人の波が押し寄せている。現在、国慶節売り出し物件のほとんどが好調な売れ行きをみせるが、過熱する不動産市場にはさまざまな「怪現象」も現れている。たとえばあまりに人気があるため、不動産業者が顧客に購入を諦め、売り場に来ないよう勧める物件がある。関係者でなければ購入できない物件もある。「揚子晩報」が伝えた。
江蘇省南京市の5つの物件は、国慶節前日の9月30日夜に売り出しを始め、一部の物件は翌日早朝まで販売が続いた。3つの物件は夜の間に完売し、1つは8割方売れた。同じ日に江北エリアで売り出されたオフィスビルも7割以上が売れた。
夜の間に完売したこの3物件は、江浦エリアの中海万錦煕岸と北江錦城、および仙林湖エリアの保利羅蘭春天だ。中海と保利の大型物件は午後10時を過ぎてから売り出され、販売戸数は合わせて460戸。中海には94-107平方メートルの部屋が200戸あり、平均価格は1平方メートルあたり約1万1千元。保利には88-132平方メートルの部屋が260戸あり、平均価格は1平方メートルあたり1万4千元だ。両物件はこれから不動産を買おうとする人を大いに引きつけ、その夜のうちに完売した。当日午後10時半、息を切らして中海の売り場にかけつけた人は、「来るのが遅かった。物件を選ぶというより奪い合うようなものだ。自分の整理番号は38番だ。こんなに早く売れるなんて考えもしなかった」と悔しさをにじませた。
国慶節前夜にある人が話したところによると、南部の西善橋エリアにある物件が気に入っていたが、開発業者の知名度が中央企業(中央政府直属の国有企業)より低いことから、お目当ての物件はすぐに買えると高をくくっていた。ところが売り場に行ってたずねてみると、不動産業者から冷や水を浴びせられた。「関係者ですか。販売戸数が少ないので、関係者以外には売りません」と言われたのだ。河西エリアのある不動産業者も、関係が深くない場合は、適当な部屋が買えるという保障はないと話す。不動産市場が過熱しているため、普通の開発業者も関係者を優先するようになり、嘆かわしい情況になっている。
南京のある業界関係者がこのほど述べたところによると、この関係者の友人は人気物件のお目当ての部屋を購入するため、不動産会社の営業販売マネージャーに5千元相当の「贈り物」をしたという。また仙林湖のハイレベル物件を手がける不動産業者は、問い合わせをしてきた顧客に購入を諦め売り場に来ないようアドバイスしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月2日