中国、計画出産緩和に関する質問7つに政府関係者が回答 (2)
4、計画出産の業務の手を緩めるのか?
王副主任は、「出産政策を調整し、整備することと、計画出産の業務の手を緩めることは異なる。現在、中国の人口が多いという現状は根本的に変わっていない。人口の経済や社会、資源、環境に与える圧力は今後も長期的に存在し、計画出産を基本とする国策は長期的に堅持しなければならない。計画出産の業務の手を緩めることは絶対にできない。今後も、『人口・計画出産法』や地方の人口・計画出産条例、関連の法律・法規の実施を徹底し、個人で計画出産の実施の必要性を自覚している人に対しては、奨励や補助を実施しなければならない。また、違法に出産する人に対しては、法律に基づいて罰さなければならない」と明確に指摘した。
5、資源や公共サービスの圧力が増す可能性は?
「単独二胎」政策を実施すれば、中国の食糧や衛生、教育、就職などの基本公共サービスに圧力がかかる可能性はないかとの質問に、王副主任は、「中国の食糧や基本公共サービス資源の配置計画は、2020年の予想総人口である14億3千万人や2033年前後の予想総人口ピーク値である約15億人を基数に制定している。また、政策の調整後も、中国全土の年間出生数に大きな増加はないと見られ、2020年の総人口は14億3千万人を大きく下回ると予測されている。総人口のピーク値も15億人を大きく下回るだろう。そのほか、『単独二胎』政策を実施すれば、数年間は人口が少し増加するものの、2000年前後の出生数の規模ほどにとどまると予測されている。そのため、『単独二胎』政策を実施しても、食糧や衛生、教育、就職などの基本公共サービスに大きな圧力がかかることはないと自信を持って言える」との見方を示した。
6、完全な二人っ子政策を実施しない理由は?
現段階で完全な二人っ子政策を実施しない理由に関して、王副主任は、「衛生・計画出産委員会が展開している多くの研究は、現段階で完全な二人っ子政策を実施すれば、短期間の間に人口が大幅に増加し、基本公共サービスに大きな圧力をもたらす可能性が高いことを示している。長期的に見ると、周期的な出産人口の変動が起こり、総人口が継続して増加し、人口のピーク値が遅れて訪れる。そうなると、人口発展の将来的な計画や目標の実現に影響が出、中国の経済社会の発展に悪影響を及ぼす。中国統計局や中国社会科学院、中国発展研究基金会、中国人民大学社会・人口学院などの機関や研究機構が独自に展開している関連の研究もその点を証明している」と指摘している。
7、人口爆発が起こる可能性は?
王副主任によると、中国全土で、「単独二胎」政策の適用対象になる夫婦はそれほど多くない。また、同政策は各省、市、区が現地の実際の状況に基づいて実施開始時期を確定させるものの、各地の人口発展の動向や業務の基礎などに差があり、準備に必要な時間も異なるため、同政策実施開始時期にも差が出る。そのため、短期間のうちに人口が大幅に増加することはないという。
ただし、同政策の適用対象になる夫婦が多い地域は人口爆発の防止に注意しなければならない。
王副主任によると、「そのような地域は出産の間隔を合理的に空けるよう提唱し、比較的高齢の同政策の適用対象夫婦が第2子を出産するよう優先するほか、第2子出産をめぐる審査を強化することで、人口爆発を防止しなければならない」。中国政府は今後、第12次五カ年計画(2011-15)の人口発展計画や近年の出生数の変動状況、「単独二胎」政策の実施開始状況などに基づいて年度人口計画を制定し、抑制と旗振り役の役割を強化することで、人口爆発が発生しないよう出生数を合理的な範囲に抑制したい考えだ。
ネットユーザー6割「2人目を産みたい」
同政策の実施に関して、鳳凰網が実施したインターネット調査によると、回答したネットユーザーの63.4%が、「2人目を産みたい」と回答。その理由は、「兄弟姉妹は子供の健全な成長に寄与する」だった。一方、「産まない」という回答も29.52%あり、その理由は、「養育コストが高すぎる」だった。そのほか、84.34%が、同政策が人口総数に与える影響は限定的との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月18日