中国、育児ストレスから離婚する若者増加
近年、中国では離婚訴訟を起こす80年代、90年代生まれの若者が増えている。北京豊台区王佐鎮の裁判所によると、今年上半期に同裁判所が受理した80年代、90年代生まれの若者の離婚案件は昨年の同時期に比べ約1割増加し、その数は離婚総数の17%を占めている。法制晩報が報じた。
同裁判所の調査研究によると、以下の6つの現象が浮き彫りになった。
分析1 1回目の裁判で被告側が離婚に同意するケースが多い
60年代、70年代生まれの人の離婚裁判と比べ、80年代、90年代生まれの離婚裁判では、原告が起訴し、1回目の裁判で被告側が離婚に同意するケース多く、約3割を占めている。被告側の一部は、最初は離婚に同意しないものの、裁判で原告側の堅い決意を見ると、「同意」するようになるという。
分析2 原告が軽率に離婚を決めるケースが多い
同裁判所が受理した80年代、90年代生まれの若者の離婚裁判のうち、裁判で双方が離婚に同意したものの、原告側が深く考えずに離婚を決意し起訴してしまったことを認めるケースが多い。
分析3 離婚の原因で多いのは「育児ストレス」
80年代、90年代生まれの若者の多くは離婚の理由を陳述する際、新婚の頃は楽しかったものの、子供が生まれてから2人の関係がぎくしゃくするようになったと語っている。同年代の若者は生活費が高いため仕事上のストレスが大きく、時間的な余裕がないうえに、子供が生まれると精神的、経済的負担がさらに大きくなり、夫婦の間に溝ができやすくなる。
分析4 浮気が原因の離婚は少ない
同裁判所が上半期に受理した80年代、90年代生まれの若者の離婚裁判では、原告側が離婚したい理由の多くが性格の不一致や相手の欠点に耐えられない、意志の疎通が図れない、ちょっとしたことでケンカになるなどがほとんどだった一方、浮気が原因の離婚裁判はなかった。
分析5 財産権争いは少ない
80年代、90年代生まれの若者の夫婦の多くは結婚後、どちらかの両親と同居しているか、借家に住んでいる。そして、どちらかの両親にお金を出してもらって結婚前にマイホームを買ったというケースは少ないため、家の所有権争いはほとんどない。そのほかの財産も通常、話し合いで解決するという。
分析6 離婚がもたらす結果を深く考えない
80年代、90年代生まれの若者の多くが、離婚後、子供に与える心理的傷や、両親に与える負担、自分の今後の生活などの問題に関して、明確な考えや意見を持っておらず、「離婚してから考える」という考え方が一般的。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月26日