H7N9型鳥インフルエンザが、この冬も中国で猛威をふるっている。中国疾病予防コントロールセンターの馮子健・副センター長は20日夜、「世界で初めてH7N9型鳥インフルエンザの人から人への感染が確認された昨年3月末から今年1月19日午後12時までの間に、中国のH7N9型鳥インフル感染者は累計200人を上回った」と述べた。新京報が報じた。
昨年12月から現在まで、H7N9型鳥インフル感染状況は、引き続き活発な状態にある。馮氏は、「発病のピークが再来する可能性は高い。今のところ、感染状況は散発的だが、感染者は、浙江、上海、広東など東南部各地に集中している」と指摘した。
○中国疾病予防コントロールセンター:「H7N9型ウイルスに重大な変異なし」
国家伝染病モニタリングネットワークによると、中国では連日、H7N9型鳥インフルの新たな感染者が毎日5人から7人見つかっているという。中国疾病予防コントロールセンターの専門家は、今後しばらくの間、新たな感染者は増え続けると予想している。
しかし馮氏は、「今のところ、H7N9型ウイルスは、まだ鳥インフルエンザウイルスの一種のままで、疫病学またはウイルス学の立場から見ても、『重要な変異』は確認されていない」と強調した。
あるウイルスに重要な変異が起こったか否かについては、主に、「感染力」「毒性」「薬剤耐性」の3つの指標にもとづき判断される。馮氏は、これら3指標について、以下の通り説明を加えた。
1 感染力:昨年のモニタリング結果と同じように、現時点において、H7N9型ウイルスは鳥から人に容易に感染しておらず、人から人への感染力も弱い。
2 毒性:ウイルスの毒性は、以前より高まったという訳ではなく、重症の患者や死者が増えたという事実はない。
3 薬剤耐性:昨年と同様、H7N9型ウイルスは、アルキルアミン類の抗ウイルス剤に対する耐性を備えているが、ノイラミニダーゼ阻害剤は有効に作用する。
○WHO:「パンデミック発生はあり得ない」
世界保健機構(WHO)は20日、H7N9型鳥インフルエンザ感染状況に関する公共健康情報問答を発表した。「H7N9型ウイルスの人から人への感染には限界がある」という説について、WHOは、「2013年10月以降、WHOが人から人への感染であると確認したのは1例のみだった。今後も、人から人に感染する可能性はあり得るが、持続的あるいは大規模な人から人への感染の兆候や根拠はない。感染リスクに対するWHOの評価ランクも変わらない」としている。
中国は、H7N9型インフルエンザの人から人への感染が世界で最初に見つかった国であることから、確定診断された感染者は国内各地に分布している上、新たな感染者も増え続けている。WHOは、中国への観光旅行やビジネス旅行に対して特に制限を設けていないが、各個人が好ましい衛生習慣を維持し、特に食べ物の安全に注意を払うよう、人々に注意を喚起している。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年1月21日