長年にわたって食事時のマナーは提唱されてきたが、さらに重要な健康上のポイントは軽視されている。ますます多くの人が食事を商談のチャンスや交際の場面などにあてており、無意識のうちに多くの間違いを犯している。専門家に、食事時に避けたいポイントを取材した。生命時報が伝えた。
熱いまま食べる
「料理ができたよ。熱いうちに食べなさい」。食卓でよく聞かれる言葉だ。料理は熱いうちに食べる方が確かに美味しいが、長期間にわたり熱い食事を食べていると、食道がんなど多くの消化器の疾病にかかる可能性がある。北京東方病院消化器内科の陳潤花博士によると、人間の食道壁は非常に柔らかく、50℃―60℃の食物しか耐えられず、この温度を上回ると食道の粘膜が火傷を負う。何度も繰り返すと質的な変化を生じ、腫瘍になる可能性がある。このため、最適な食物の温度は熱くも冷たくもない約40℃である。
テレビを見ながら食べる
食事時にテレビを見る習慣の家庭は多いが、この小さな事が健康には大きな脅威となる。仏・インシアード(INSEAD)と米国・コーネル大学の共同調査によると、米国人がテレビを見ながら食事をする習慣があり、一般に「番組が終わると食べるのを止める」が、フランス人は「満腹になると食べるのを止める」人が多い。こうした習慣の違いから、同じようにチーズやスイーツなどの高カロリーの食事を摂るフランス人だが、肥満の割合は米国人の半分に留まっている。研究者は、食事時には注意力を集中すべきで、テレビなどは消すのが一番よいとアドバイスする。こうすることできちんと咀嚼し、体重をコントロールすることができ、慢性病のリスクを低減させる。
食事時にビジネス交渉を行う
食事をしながら、チャンスとばかりに部下や子どもに説教する人が少なくない。中国農業大学食品科学・栄養工程学院准教授の範志紅氏によると、食卓で世間話をすることは問題ないが、食事をしながら商談や交渉、テストの点数についての話などをすると、食物の消化吸収を妨げる可能性があるという。人間は集中して考えたりストレスを感じると、副交感神経が抑えられて消化器官の血行が減少し、胃の蠕動が低下する。特に消化吸収の機能が元々弱い人にとっては、食事に集中してリラックスして食べることで、初めて食物が十分に消化吸収される。