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増税直前「駆け込み購入」に走った日本人

 2014年04月01日14:43
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増税実施が、スーパーでの「直前の駆け込み購入」現象をもたらした。商品棚が空っぽになった東京のスーパーマーケット(29日)

 日本では4月1日から、財政の健全化(収入増と国債の減少)を目的として、消費税が5%から8%に引き上げられた。日本で消費税が改定されたのは17年ぶりのことだ。増税が実施される直前の3月末、日用品の「駆け込み購入」に走る日本人の姿が、全国各地で見られた。文匯報が報じた。

○トイレットペーパーさえも「駆け込み購入」の対象に

 共同通信社が3月30日に伝えたところでは、増税が実施される前の最後の週末となった3月29日、家電・アパレル・食品の各種商店は、増税前にまとめ買いをしようとする人々でごった返した。

 宝石店の前には、金を買いに来た人の列ができた。田中貴金属ジュエリーの統計データによると、傘下7店舗では、3月の金売上が5倍以上増加した。銀座の同社フラッグシップ店では、ゴールド・バーを購入するのに3時間並ばなければならなかったという。金市場の専門家は、「投資家は先を争うように金を買い求めている。その理由は、消費税増税が目前に控えていたことだけではなく、アベノミクスの経済政策が失敗した時に備えて、最も手堅い対策を講じたのだ」と指摘した。

 東京で働いている中国人ネットユーザー「建建建菲」さんも29日、日用品の「駆け込み購入」の大群に加わった一人だ。だが、「もぬけの殻」状態になっていた商品棚を見て、「最近、スーパーでは商品を『奪い取る』ように買わないと買えなくなった。トイレットペーパーでも買うのに苦労する」と、がっかりしてつぶやいた。

 大阪にある貿易会社に勤める黒木さんは、数カ月前から「増税前購入」計画を立てていた。「アベノミクス経済政策によって、経済指標は軒並み好転した。でも、日常生活レベルで見ると、それらは錯覚だった気がする。これまで日本では、商品を買うのに苦労することなど皆無だった。しかし今は、押し合いへしあいのスーパーで、意を決して買物しなければならない」と語った。

 集団心理を刺激する今回の過剰な「購入ブーム」によって、日本の消費市場に久しぶりに好景気がもたらされた。共同通信社の報道によると、総合スーパー大手のダイエーは、3月20日から31日まで、「増税直前セール」を開催した。千葉県浦安市にあるダイエー新浦安店では、大箱に入ったケース買いの食品や日用品が飛ぶように売れた。同店の店長によると、飲料と酒類の売上は大幅に伸びたという。

 総合家電・日用品量販店大手のビックカメラでは、消費税増税が決定した昨年以降、電動歯ブラシや家庭用冷蔵庫・洗濯機の売上が年14%増加したという。群馬県にある家電小売店は、「3月のエアコンの売り上げは前年同期比3倍、冷蔵庫や洗濯機も倍増した」と話した。

○商店:「商品価格値上げ・据え置き、どちらも難しい」

 複数のアナリストは、「増税前の異常な好景気が過ぎ去ったあとの反動を警戒すべき」と指摘する。日本の消費市場では熱いブームが巻き起こったが、このブームが増税後、ぴたりと止むだけではなく、逆に落ち込む可能性が高い。関係者によると、日本自動車総連は、自動車の内需が15%前後落ち込むと予測しているという。

 増税前の駆け込み消費は、日本人の不安感を反映している。誰もが増税後、「増税分の転嫁」によって商品価格が上がり、生活費の支出が増えることを心配している。「朝日新聞」がこのほど行った全国世論調査によると、「今回の増税で家計に及ぶ影響は?」という質問で、「かなり、あるいはある程度影響が及ぶ」と答えた人は全体の79%に達した。また、「増税が社会保障の機能強化・安定化にプラス作用を及ぼすと思うか」については、「そう思わない」が51%を占めた。

 消費税増税によって、商店も苦境に立たされた。特に、中・小の小売店は、「商品価格を上げるのも問題、据え置いても問題」という窮地に陥っている。「増税後も値上げしません」をモットーに消費者から大きな支持を得た企業も、円安によるコスト増という圧力を受け、結局は値上げせざるを得なくなった。例えば吉野家は、280円だった牛丼並盛を4月1日から300円に値上げした。
 
 しかし、「今回の増税が経済全体に大きく影響することはあり得ない」という見方もある。今春の労使交渉で、日本の大企業は続々とベースアップを決めた。日本総合研究所の湯元健治・副理事長は、「増税後の消費の冷え込みが、日本経済全体に大きく影響することはあり得ない」との見方を示した。(編集KM)

 「人民網日本語版」2014年4月1日

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