子供らを指導する楽山さん。 |
中国サッカーの潜在能力に期待
楽山さんは、ユース育成機構「楽山サッカー塾」の経営者兼コーチとして、再び深センに戻った。
中国と日本のユース育成の違いについて、楽山さんは、「中国は育成スクールが少なすぎる。また、コーチなどとして現場に残るプロとして経験豊富な選手が少ない。日本では、街の至る所で、サッカーをしている子供を見ることができる。深センほどの大きさの都市ならば、日本なら育成機構が50以上はあると思う。中国はサッカーをしている子供が少なすぎる。人材を探す範囲もせまく、サッカーをしている子供がいたとしても練習は通常土日だけ」と指摘。さらに、「日本の子供の1週間の練習時間は中国の2倍。それに、日本の選手の多くが育成にも力を注いでいる。現役の選手も例外ではなく、日本代表の遠藤保仁選手(ガンバ大阪)は、サッカースクールをプロデュースしている」と語った。
楽山さんはまた、「日本サッカーの青少年育成には、興味の所から始まり、基礎、テクニックの向上に至るまでの年齢別の育成マニュアルがある。育成にまず必要なのは基礎で、多くの子供にサッカーという競技を好きになってもらうことが重要」との見方を示す。
現在、中国サッカーはアジアにおいて「三流」にまで落ちぶれてしまっている。しかし、楽山さんは、中国サッカーには大きな潜在能力があると感じており、「オリンピックやワールドカップに出場できないのは今だけ。科学的なメソッドを見付けだし、政府のサポートがあれば、中国もまたワールドカップに出場できるようになると信じている。少なくとも日本はそのような過程を経験した」と語っている。 (編集KN)