中国では、清明節(日本のお盆に相当。今年は4月5日)に、先祖があの世でお金に困らないようにと、紙銭を燃やす習慣がある。米ビジネスニュースサイト「クオーツ(QUARTZ)」は7日、今年の清明節に、一部の中国人が、先祖のために、紙製のルーターやパスポート、地下鉄のチケット、iPhoneなどを燃やしたことを伝えた。清明節における若者の役割が大きくなるにつれ、先祖に贈るものを見れば、中国でどのようなものが売れているかを垣間見ることができるようになっている。環球時報が報じた。
中国では、紙銭などを燃やすことで、先祖に対する思いを表す。中国人にとって、来世は現実の描写であるため、清明節に燃やされる物を見れば、現実の世界の世相が分かるのだ。
ここ数年、紙銭や食品など、伝統的な物に代わって、紙製の高級車や家電製品、高級タバコ、白酒(蒸留酒)などが清明節の人気商品となっている。また、燃やされる紙銭の「額」も増加しているほか、ドルや札束、クレジットカードなどを燃やす人もおり、多くの人があの世の「インフレ」を懸念しているようだ。
今年、先祖への「贈り物」で新たに人気を集めたのが「ルーター」だ。これも、中国でネットユーザーが急増していることの表れだろう。墓参りをしていたある人は取材に対して、「おばあちゃんはパソコンを使ったことがない。だから、あの世でインターネットができるようにと、ルーターを贈った」と語っていた。
また、iPhoneやサムスン製のスマートフォン(多機能携帯)も人気となっている。これは、サムスンとアップル社が中国市場でしのぎを削っていることを反映していると言えるだろう。
ちなみに、亜熱帯気候の香港の人が、先祖に最もよく贈るのは「エアコン」だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月10日