解説

人民元建て貿易決済

　「概説」

　人民元建て貿易決済は、輸出入企業が米ドル建ての信用状ではなく人民元建ての信用状を採用すること以外、大きな違いはない。本当の違いは、境内外の銀行間における決済の部分にある。例えば、中国のある輸出企業が、海外の買い手との話し合いの末、人民元建て決済を要求する。海外の買い手は支払銀行で人民元建ての信用状を発行し、買取銀行が買い手に通知後、貨物の発送、受け取り、支払い受け取りなどが行われる。

　商業銀行が人民元建て貿易決済を行うには代理方式と清算方式という2種類の方式がある。代理方式とは、中資銀行が外資銀行に委託し、外資銀行が境外における中資銀行の代理銀行となり、境外の企業は中資銀行が委託した銀行において人民元口座を開設するというもの。清算方式は、中資銀行の境内本店と境外支店間で行われる業務で、境外の企業は中資銀行の境外支店で人民元口座を開設する。

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