解説
- 貿易の技術的障害(TBT)
- 「概説」
- 貿易摩擦を生じさせる規則、基準(包装、マーク、ラベル等に対する要求を含む)、検査、証明手続き、その他の非関税障壁。貿易の技術的障害に関する協定の下、WTO加盟国は農業および工業製品について貿易の技術的障害を設けることについて合意した。
各国は異なる製品技術基準、製品認証手続きを制定しており、ある国から他国へと商品が渡る場合に障害が生じる。特に技術発展水準が高い国家が定める技術基準は厳格化されており、技術発展水準が低い発展途上国の製品の進出を妨げることで、貿易の技術的障害が生じる。また一部の国家は自国製品と輸入製品に対して異なる検査基準を設けており、輸入製品に対する差別化政策を実施しており、貿易の技術的障害となっている。これらはWTOの差別的な取引を禁ずる貿易原則に背いたやり方である。これを受けWTOは『貿易の技術的障害に関する協定』を制定し、政策の透明度向上、技術基準・合格審査が国際貿易発展を妨げる障壁となることの防止を目的とした。
貿易の技術的障害は、国家・地区の技術的法律、合意内容、基準、認証体系(合格審査手続き)等の形式により、科学技術、衛生、検疫、安全、環境保護、製品品質・認証等の技術的基準を通じ、国際貿易上に現れる。変化の激しい、名目が雑多な規定が設けられる。これらの障壁のほとんどは技術面の問題を理由としているため、表面的には合法に見える。ゆえに現在の国際貿易における、最も不透明かつ解決困難な非関税障壁となっている。
関連ニュース