2009年1月8日    中国語版日本版
更新時間:17:11 Jan 08 2009

「金融危機の原因は中国の高貯蓄率」は責任逃れ


 まもなく任期を終えるポールソン米財務長官はこのほど、英紙「フィナンシャルタイムズ」のインタビューを受け、国際金融危機の原因の一部は、中国など新興市場国家の高い貯蓄率が世界経済の不均衡を呼び、米国にあふれた資金が米国の投資者に高いリスクの資産を買わせることにつながったことだとの見方を示した。これより1週間ほど前、米紙「ニューヨークタイムズ」には、「米国のバブルをふくらませた中国の貯蓄」と題した記事が発表された。この記事によると、FRBのバーナンキ議長は早い時期から「米国の債務問題は米国人の消費過剰のためではなく外国人の貯蓄過剰のためだ」と指摘していた。そしてこの「外国人」の代表格となるのは中国人だという。

 このようなロジックは全くのでたらめとしか言いようがない。経済学に詳しいはずの米財務長官がこのような発言をするとはさらに信じがたい。借りたお金で派手に消費していた人が破産した途端に「初めから貯蓄しなければよかったのに」と他人を責める。このようなロジックはいかなる国の道徳ではかっても荒唐無稽としか言えないだろう。このようなでたらめな発言の裏側にどのような意図が隠されているのかは発言者だけが知っている。

 中国が米国の債券を買っていたというのは事実だ。だがそれは中国のせいと言うよりは、ウォール街の金融機関が作り出した卑劣なトリックのせいだろう。中国や欧州諸国、日本の金融機関がサブプライムを含んだ債券を買っていたとしても、被害者は騙された買い手の方だ。米国のペテン師の罪を外国が負わなければならない道理はない。このような基本的なロジックさえ通らないならば、世界にはいかなる道理があるというのか。「ニューヨークタイムズ」の記事でも、「中国から来る資金そのものが悪いわけではない」と指摘されている。資金の使い方を間違え、21世紀の米国が本当に必要としている場所に資金を投じなかったのは、米国自身の責任だ。

 世界金融危機の原因については世界的な共通認識がすでにある。今回の危機は基本的には信用危機であり、ウォール街や米国の信用に起こった問題だ。米国人の過剰な消費や金融市場の過度の発達、金融監督の甘さ、財政赤字と経常赤字の双子の赤字などが危機の根源となった。この危機に最も責任があるのは米国であり、最も反省しなければならないのも米国だ。米国人は無制約な消費という夢から覚め、前借りに頼るような生活方式を改めなければならない。米国政府は、「世界で最も完全」なはずの金融管理システムに出現した大きな欠陥を直視し、これを補完し改善するための積極的な措置を取らなければならない。米連邦準備銀行は、低金利と貨幣拡張の政策を長期的に取ったことで米ドルをあふれさせ、資産バブルをふくらませた責任を認め、世界からの非難を誠意をもって受け止めるべきだ。ウォール街の金融家は過度の投機で問題を作り出したことで良心に不安をおぼえ、法律による処罰を受けなければならない。

 現在の危機は世界の経済不均衡と確かにつながりを持っている。この不均衡の原因は一概には言えないが、米国を代表とする先進国の経済構造に大きくかかわる。世界一の経済大国である米国が巨大で急速に増加する経常赤字を抱えていたことは根本的原因の一つになった。欧米諸国の過剰消費や貯蓄不足、ハイテク製品の輸出制限なども重要な原因の一つだ。例えば、米国は、大量の商品を輸入して巨大な本国の市場を満足させる一方、輸出にはさまざまな制限をかけて本国のハイテク製品の発展途上国への輸出を阻んだ。こうした基本的な問題について、国際経済学界では早くから共通認識が成り立っている。ポールソン財務長官は不均衡論を再び持ち出し、その原因を中国など新興経済体に押し付けようとしている。経済に関する知識が不足しているのか、ほかに目的があるのかのどちらかだろう。

 現在のこのような合理的でない不均衡システムに対しては、発展途上国は早くから変更を希望していた。だが既存の国際的な経済や貿易のシステムは先進国の主導で動かされている。多くの発展途上国は世界の分業体制のローエンドに押し込められ、付加価値の低い製品の生産を請け負わされ、自らの希望する改革を推進できないのがこれまでの現実だった。先進国が率先して調整しなければ、国際的な経済貿易体系の改革は始動させることもできなかった。バランスを失ったシステムの維持が金融危機の爆発によって困難になったことで、改革の実現にはついに希望が出てきた。米国はカギとなるこの時期、他国の貯蓄率の高さを非難するようなことをやめ、勇気を出して自らを検討し、持続不可能な経済モデルに適切な調整を加え、財政赤字を抑え、貯蓄率を高めなければならない。さもなければ、米国自身の利益を損なうばかりでなく、国際社会の共同利益も損なってしまうことになる。(編集MA)

 「人民網日本語版」2009年1月8日

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