上海モーターショー、4つの新たな傾向
上海モーターショーでは、自動車メーカー各社がさまざまな新テクノロジーを披露している。その中でも際立つのが次の4つの傾向だ。
(1)圧縮
エネルギー節約や排気量削減の呼び声が高まる中、各自動車メーカーは、動力と燃費とのジレンマに立たされている。これを解決する方法の一つが、ターボチャージャーなどによる圧縮だ。日韓メーカーがバルブコントロール技術の研究に取り組んでいる間に、欧米メーカーは圧縮技術の応用に足を進めている。今回のモーターショーでも、BMW・ゼネラルモーターズ・フォルクスワーゲンなどがいずれも圧縮製品を出展している。
BMWの新型車「Z4sDrive35i」には、直列6気筒エンジン対応のツインターボチャージャーが採用され、ロードスター史の新たな幕開けを示すものとなった。一汽大衆(フォルクスワーゲン)と上海大衆は同時に、1.4TSIエンジンとDSGトランスミッションの導入を打ち出し、「Sagitar」と「Lavida」へと応用した。
ベントレーの出展スペースでは、今年打ち出されたばかりの高速車「GTC Speed」が展示されている。12気筒ツインターボチャージャーエンジン、610馬力、最大トルク750Nm。静止状態から4.8秒で時速100キロへの加速が可能だ。
(2)小型車
排気量1600cc以下の車種に対する自動車購入税免除の政策によって、中国では、排気量の小さい車の販売台数が大きく跳ね上がった。小型車は、自動車メーカーにとって無視できない成長市場となっている。今回のモーターショーでは、長安やチェリーがいずれも優れた小型車を出展した。
初公開となる7代目のスズキ・アルトは、今回のモーターショーの注目点の一つとなっている。外観に旧来の面影はなく、車内スペースもずっと大きくなった。もっとも、価格も大幅アップとなった。チェリーからは、2ドア4シートの「Qqme」が登場した。車体の長さが伸び、車内スペースもゆったりしたものとなっている。07年に発売されたフィアット500にも注目が集まる。クライスラーとフィアットの再編案が通れば、フィアット500の新型車を下半期にも見ることができるかもしれない。
