来年も中国自動車市場は成長する 政策の延長も
今年、自動車の販売台数が伸びた根本的な原因は政策にあり、市場の成長にはないとする見方がある。また政策の誘導により、購入コストに敏感な中・西部地域や二・三線市場の購買力が十分に「解放」され、これにより2010年のニーズの一部が09年に回ったため、来年の自動車販売台数の伸びは落ち込むという見方もある。「北京商報」が伝えた。
経済学の原理に基づけば、自動車は価格や利益の幅が最も大きい商品の一つであり、特に中国ではこの傾向が顕著だ。米国では自動車は必需品であり、自動車がなければ生活が成り立たないが、中国には徒歩、自転車、公共バス、地下鉄などさまざまな交通の手段があるため、価格や利益の幅は一層大きくなる。幅の大きな製品は、関連する要因の影響を受けると、市場が大きく変動する。中国では自動車の普及率が低く、1千人あたりの保有台数はわずか40台ほどで、一部の非発展国・地域よりも低い。欧州や日本は600台だ。中国は現在、持続的な成長の段階にあり、個人所得が継続的に増加しており、こうした情勢は今後数十年続き、自動車市場は徐々に飽和状態に向か
うとみられる。よって今年の政策による刺激は、自動車市場の成長の重要な原因ではあるが、唯一の原因ではない。
マクロ経済情勢をみると、今年の中国経済の情況は昨年よりも確実に良好なものとなる見込みだ。このことが来年の自動車市場に良好なマクロ環境を提供することになる。昨年のようなマクロ経済情勢の下でさえ、中国自動車市場は7%の成長を遂げた。来年の経済情勢は少なくとも昨年よりは順調だとみられ、自動車市場の成長ぶりも昨年を上回ることが予想される。
今年の自動車販売台数の急速な伸びは、国内総生産(GDP)の伸びの安定・上昇に大きく貢献した。販売台数の350万台増加は、GDPの3千億元増加に相当し、関連産業への牽引作用もある。中国政府の政策は「河を渡れば橋を壊す」というような利己的なものであってはならない。今年の中央経済工作会議では「個人所得レベルの引き上げと最終的な消費ニーズの拡大を重点として、国民の所得分配構造を調整する。農民の消費促進に力を注ぎ、住宅消費と自動車消費を緩やかに発展させ、サービス消費と旅行消費の発展に力を入れ、最終的な消費力を絶えず強化する」ことが打ち出された。
内需の拡大は経済に持続的成長を保証する根本的な道筋であり、住宅・自動車消費は内需拡大の主たる原動力だ。このため自動車消費の促進は、長期的な経済政策として考えるべきだといえる。
来年も自動車市場を刺激する政策の一部が継続する見込みだ。昨年打ち出された市場刺激策には(1)低排気量車の購入税の半減(2)農村部での自動車普及対策(3)新車への買い換え促進ーーなどがあり、(2)(3)は部分的な調整を加えつつ来年
も継続する予定だ。
自動車業界にとって、来年の発展の重点はもはや量的な増加にではなく、情勢の好転というチャンスを生かして、構造調整を進め、産業のグレードアップを促進し、独実ブランドの中核的な競争力を高めることにある。(編集KS)
「人民網日本語版」2009年10月27日