中国商務部「人民元改革が輸出に与える影響、大きくない」
中国商務部国際司のユ(「諭」のつくり)建華司長は26日、カナダのトロントで、為替レート改革によって中国の輸出企業が損失を受けるのは避けられないだろうが、全体的に見ると影響はそれほど大きくならない、との認識を示した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
ユ司長によると、為替レート改革によって輸出企業が損失を受け、一般貿易の影響が加工貿易のそれを上回ると見られる。ただし全体的に見ると、為替レート改革が中国の輸出に与える影響はそれほど大きくならないという。
ユ司長は、為替レートの変化が貿易バランスに与える直接的な影響はそれほどなく、貿易の問題はやはり貿易分野の中から答えを探すべきだ、との認識を示した。
ユ司長は、いかなる形の保護貿易主義にも反対するとの立場を改めて強調。一部の先進国が中国の輸出に対して規制をかけているが、この問題を解決しなければ貿易バランスや貿易摩擦の軽減を図ることは極めて困難だ、と述べた。
ユ司長によると、中国の貿易黒字は金融危機などの打撃を受けて大幅に落ち込んだ。2010年1-5月の中国の輸入は57.5%増、輸出は33%増、黒字は前年同期比60%減の353億9千万ドルとなった。一方、危機発生前の2008年1-5月、中国の貿易黒字は780億ドルだったという。
ユ司長は、金融危機や欧州の財政危機、為替レートの変動、中国国内の労働力・原材料コストの上昇などを考慮すると、今年の輸出入貿易の見通しはあまり楽観視できない、との見方を示した。(編集YT)
「人民網日本語版」2010年6月28日