新車値下げも黒字に転換 トヨタ利益連鎖の秘密 (3)
デンソーやアイシン精機、トヨタ紡織はいずれもトヨタ自動車の部品サプライヤー体系において重要な役割を担っており、トヨタはこの3社の株式を保有しているとともに、デンソーの最大株主でもあり、デンソーの業務の60%以上はトヨタに関係している。
デンソーは中国に生産会社、販売会社、技術センターなど24の関連会社を設立しており、これらはトヨタの中国合弁会社2社に大量の部品を提供している。業界関係者によると、トヨタのエンジンの中のほとんど全ての電子デバイスはデンソー中国が提供しているという。電子デバイスは自動車部品の中で利益が大きな部分である。
トヨタのサプライヤー体系は一つの利益共同体であるといえる。この中で、トヨタが入り込んでいない部品サプライヤーを探すのは非常に難しい。
「トヨタは世界的なリコール騒動が発生したときも、外部には決して欠陥部品を製造したメーカーの名前を明らかにしなかった。これは部品サプライヤーの利益を保証するためであり、彼らの利益を保証することはトヨタの利益を保証することでもあるからだ」と自動車業向け総合サービスサイト「盖世汽車網」の陳文凱CEOは話す。
自動車アナリストの賈新光氏は、「部品調達体系は自動車業界の中で最も秘密の利益連鎖であり、完成車のコストの70%を占める」と指摘する。これも多国籍自動車企業とその体系内の部品メーカーが「がっちりと固まって事業を行っている」重要な原因である。
言うまでもなく、トヨタとその部品サプライヤーのこうした「秘密の関係」により、値上げすればサプライヤーたちに利益がもたらされるだけでなく、トヨタ自身も懐を暖めることができるのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月25日