労働者不足、長江デルタにまで蔓延
経済は回復したものの、またもや労働者不足が起きている。第108回広州交易会に参加した企業は「昨年は注文がなかった。今年は注文は多いが働き手がいない」と嘆き、「人手探しは顧客を探すより難しい」と口をそろえた。以前、珠江デルタで起きた労働者不足がぶり返し、今回は長江デルタなどの地域にまで蔓延している。国際金融報が伝えた。
▽全国を襲う労働者不足
江蘇省工商業連合会玩具業商会の梅萌常務副会長によると、今年に入って労働者不足が長江デルタに襲い掛かっている。協会に加盟している企業の多くは仕方なく1カ月後の納品を45日に延ばしていたが、今では4カ月後に延ばすところも出ている。
企業の労働者不足に全国各地の企業が頭を痛めている。福建省ホ田市政府の秘書長によると、国内の靴類輸出基地で知られる同市では靴メーカーの多くが労働者不足に直面している。「靴づくりはまだ労働力に頼るところが多く、労働者不足が際立っている。業界の平均生産量は70%にとどまった状態。これでは資源のムダになるだけでなく、納期が頻繁にずれ込めば、違約責任を問われることになりかねない」と企業は悲嘆に暮れる。
▽深刻な現場の作業員不足
米人材派遣会社マンパワーの中国現地法人、万宝盛華が行った人材不足調査で、国内企業では生産現場の作業員から管理職・高級管理職にいたるまで全体的に人材が不足していることがわかった。その程度が例年よりも深刻だという。
同社は今年1月、世界36カ国・地域の3万5千社(うち中国企業1384社)を対象に人材不足に関する調査を行った。調査によると、09年を25ポイント上回る中国企業の40%が職位の穴を埋める対応をとっているという。
万宝盛華の袁建華総経理は「求職者がもつスキルと企業が求めるスキルが合致しないため、企業は必要とする、特定のスキルを持ったプロフェッショナルな人材を見つけるのに苦労している。求職者が求人を上回る人材市場では依然として人材が足りていない」と語る。