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ビンラディン容疑者死亡 国際経済に大きな変化なし

 商務部国際貿易経済合作研究院の梅新育研究員はこのほど次のような論考を発表した。

 米国が10年にわたって追い続けた国際テロ組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン容疑者をこのほど殺害したことを受けて、金融市場や大口商品市場には目立った反応が起こり、米ドルのレートが上昇する一方、商品価格が低下している。だが全体としてみれば、ビンラディン容疑者の死は国際経済の全体的な局面に大きな影響を与えるものではないという。中国新聞網が伝えた。

 こうした判断を下すのには次のような理由がある。ビンラディン容疑者の影響力が大きい地域がグローバル経済に占めるシェアは小さく、実体経済部門の生産額が占めるシェアはさらに小さいからだ。ビンラディン容疑者とアルカイダの影響力が実際に及ぶエリアは中東諸国と北アフリカ諸国に集中し、国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」2011年4号のデータによれば、このエリアの2010年の実質国内総生産(GDP)が世界全体に占めるシェアは5.0%に満たない。たとえこのエリア全体が混乱に陥っても、世界の生産額の5.0%に直接的な影響を与えるにすぎない。しかもビンラディン容疑者とアルカイダにはそれほどの神通力はなかった。ビンラディン容疑者の死が経済に与える影響は、主に金融市場とバーチャル経済部門に集中し、実体経済部門には及ばないとみられる。

 ビンラディン容疑者の死が世界の実体経済部門の基本的な側面に真に影響を与えるとすれば、その唯一可能な道は、米国の統治グループがこれによって10年に及ぶ反テロの戦いを勝利宣言とともに収束させ、海外でむやみに展開する軍事介入を本当に大幅に減少させ、米国の国力の過度な消耗を回避する、というものだ。こうしなければ、世界経済と米国経済が急速に順調に不均衡から脱却することはできず、米国経済と米ドルレートが持続可能な長期的な支援を獲得することもできない。問題は、世界唯一の超大国という地位が引き起こした道徳的なリスク、これに加えて長年軍事力の実践を乱用してきたことが、米国の内外で強い利益集団を生み出したということだ。これらの利益集団は米国が目下の軍事力乱用の軌道の上に引き続きとどまるよう画策する一方、こうした振る舞いが米国の国力の過度な消耗を招き、最終的には持続不可能に至るかどうかという点をまったく省みなかった。外部の問題に干渉することを主張する米国内の強硬派、世界のどれくらいの国でいわゆる民主派や反政府派が政権奪取の希望を米国の干渉に託しているかという問題、こうした民主派や反政府派が米国でどれほど強力なロビー活動を展開しているかという問題などを考えると、こうした利益集団に米国の行方を左右する強大な力があることが容易にうかがえる。内戦状態にあるリビアでは、米国のトップは初め軍事介入はしないとの立場を堅持したが、徐々に退却を迫られ、リビアの反政府派に対して心中疑念を抱きながらも、数千万ドルに及ぶ軍事支援を行うに至った。今後は米国がベトナム戦争で徐々に泥沼に陥った時のような、旧ソ連がアフガニスタンで徐々に米国と同じ轍を踏んだ時のような情況になるとみられる。米国指導者層に賢明な人物がいて、過度に拡大した戦線を縮小させ、国力を保つことを考えたとしても、国内外の利益集団がそうすることを許してこなかった。

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