世界のぜいたく品企業 中国の「新たな秘訣」を発見
▽消費者の7割は二線・三線都市に ネット販売が第二のプラットフォームに
10数年にわたる力強い発展期を経て、中国のぜいたく品市場に従来にはなかった特徴が浮かび上がってきた。二線都市や三線都市の爆発的な成長、国内購入の割合の年を追うごとの増加、インターネットが新しい営業販売手段として普及しつつあること、などだ。こうした変化と同時に、ぜいたく品を消費する層にも変化が起きている。数カ月分の給料をこつこつためてハイブランドのバッグを買う「スターバックス階層」は、価格に最も敏感だ。ぜいたく品の消費が生活の一部になっているハイクラスの「ロールスロイス階層」は、差別化されたサービスをより重視する。こうした傾向を受けて、中国市場戦略を調整するトップブランドが増えており、中には製品開発の位置づけを新たに行うところも出てきた。「環球時報」が伝えた。
▽省都都市の販売量が最多
米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー(上海)の共同経営者であるブルーノ・ランヌ氏は取材に対し、「2010年の中国大陸部のぜいたく品市場の増加のうち、約67%は新しい消費者によるものだ。二線・三線都市は大手ブランドがしのぎを削る新たな戦場になりつつあり、そこに住む消費者のブランド認知度や消費意欲は上海や北京といった一線都市の消費者に近づいている。消費額は一線都市の同ランクの収入の消費者とほとんど同じか、これを上回る。実際のところ、売上高が最も多い店舗は一般的には省都都市にある」と話す。モンブラン(中国)有限公司の陸暁明董事総経理(取締役社長)によると、中国の富裕層は主に一線都市、二線都市、三線都市に集中している。うち北京や上海のような一線都市で働いたり暮らしたりしている人は30%ほどで、70%以上の人は一線都市以外の都市に住んでいる。言い換えれば、二線・三線都市がぜいたく品消費の未来の主力市場になるということで、開発の可能性はとても大きいという。
こうしたわけで、100を超える国際的トップブランドが中国で1千軒を超える専門店を設立している。ルイ・ヴィトンは22都市に27店舗をもち、長沙、西安、青島、廈門(アモイ)、無錫、温州といった二線・三線都市にも店舗がある。寧波(ニンポー)と杭州にはあらゆるぜいたく品ブランドが集まっている。米国のぜいたく品トップブランドであるラルフ・ローレンのロジャー・ファラー総裁は、最近あるぜいたく品フォーラムで、中国では多くの二線・三線都市が成熟しつつあり、消費者のニーズも開放されつつある。一線都市で店舗を設立する場所をあれこれ探すだけでなく、こうした地方でも店を構える必要があると述べた。