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人民網日本株式会社事業案内  更新時間:15:05 Jun 07 2011

なぜ強い?日本企業の生命力

 中華全国工商業聯合会の黄孟復出席はこのほど、同聯合会幹部が感心を寄せる問題について答える中で次のように述べた。非公有制経済の主体である膨大な数の中小企業やミクロ型企業が発展することは、国民を豊かにする上で重要な段階であり、その存続情況は消費の促進と密接に関連する。われわれが小企業やミクロ型企業の発展に向けて、全身全霊で全方位的なサービスを提供すれば、これらの企業の改善が進み、従業員の給与が引き続き引き上げられ、こうした動きに伴って、われわれの抱く消費能力拡大の願いも達成されることになる、というのだ。筆者は黄主席の発言は非常に鋭いと考える。またこの発言によって、日本に滞在している間にいつも深く考えさせられたことを思い出した。それは、日本の中小企業の生命力はなぜあれほど強いのか、という疑問だ。「中華工商時報」が伝えた。

 筆者は2010年に日本政府の中小企業庁が発行した「全国の元気なモノ作り中小企業300社」について統計を取ってみたことがある。すると、ここに挙げられた日本の全国各地に分布するさまざまな業種の中小企業300社の「平均寿命」は46歳で、中国の中小企業より3.7歳長生きだった。

 昨年、日本のある友人に伴われた東京都墨田区のある小企業を見学した。1930年設立のプレス加工で世界一と呼ばれる企業だ。狭い通りに立ってこの会社を眺めたとき、正直なところ、私はこの会社がプレス加工世界一の会社だとはにわかには信じられなかった。まるで昔の中国の路地裏の小さな作業所みたいだった。だがこの、これ以上小規模にはなれないほど小規模な企業・岡野工業株式会社(従業員は岡野雅行社長の妻、娘の夫を含めてわずか5人)こそが世界に誇る奇跡を生み出してきたのだ。同社は世界で最も細い注射針を生産しており、聞くところによれば、この針で注射すると痛みを感じないという。たとえ感じても蚊に刺されたほどの痛みだという。岡野社長は日本の製造業界で「金属プレス鋳型の魔術師」と呼ばれており、そのモットーは「誰にできない仕事をする」だ。

 日本滞在中に、筆者は多くの専門家に教えを請い、さまざまな資料に目を通し、日本の中小企業と中国の中小企業とでは経営理念や管理モデルに大きな違いがあることがわかった。日本の中小企業は規模を追求しない。企業経営の理念においては、企業を年間の生産額、利益、従業員などの規模によって位置づけるのではなく、広く業界全体の産業チェーンの中に位置づける。日本の中小企業は往々にして細分化した大企業向け製品市場の中にあって、どのような製品を打ち出せるかを追求し、各社の特色や技術的優位に基づいて、あるいは関連業界における各社の社会的ネットワークを利用して、どのような製品を生産するかを決定する。そうして細分化された市場にあって、どの企業よりも優れた、どの企業の同類製品よりも特色のある、機能性の高い製品を生産することになる。各社はその専門レベルに基づいて他社を上回る製品構造、他社を上回る製品の精度、他社を上回る製品の機能を備えるようにし、自社製品が市場で独占的な地位を占めるようにする。

 中国の中小企業は発展モデルや管理の理念において、規模や市場シェアを追求する道を歩む。追い求めるのは企業の規模であり、生産額の規模であり、企業を大きくすることばかりを考える。一方、日本の中小企業は小さくなればなるほど、製品の精度が高くなる。日本の中小企業は、業界全体の産業チェーンの中で、専門化され細分化された製品の生産工場であろうと努力し、企業の規模や生産額の規模を追求して拡大再生産を繰り返すということをしない。努力目標は業界の細分化された製品市場において、替えのきかない唯一無二の「ねじ」になることで、これが中国の中小企業の発展モデルと日本の中小企業の発展モデルとにおける最大の相違点だ。

 前出の従業員5人の岡野工業は、報道によれば日本のトヨタ自動車、日産自動車、マツダなどの自動車メーカーから提携を望まれているという。これらの自動車メーカーが研究開発中の新型燃料自動車に必要な難度の高い部品の加工は、岡野工業でなければ請け負えないからだ。岡野社長は以前、日本のあるメディアに対して「私たちがやろうとしている加工は、中国企業や欧米企業には絶対にできないことだ。燃料電池自動車の実用化競争の中で、日本は必ず先頭を走ることになる」と述べた。この発言は日本の中小企業の気迫そのものだ。

 こうしたことから、日本の中小企業は卓越した生産技術によって身を起こし、企業の大きさや総合力は求めず、誰にもできないことをすることに力を注ぎ、あえて脇役に甘んじて、市場競争の中で代替不可能な役割を担おうとする。誰にもできないことをやろうとし、市場競争の中で唯一無二の存在になっているために、日本の中小企業は強い生存能力を備えるようになったのだといえる。(編集KS)

 *筆者は劉武氏

 「人民網日本語版」2011年6月7日

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