京滬高速鉄道 工期短縮のための数々の発明やノウハウ
当初の予定では5年間の工期が、2年7カ月に短縮され、軌道敷設が完了した、北京と上海をつなぐ中国版新幹線「京滬高速鉄道」。高速鉄道建設における建設スピートがこの度また更新された。海外では、高速鉄道建設の際、軌道路盤は時間をかけて自然に沈下させるが、今回、京滬高速鉄道ではどのようにしたのだろう
走行時速380km/hの設計要求に基づき、京滬高速鉄道の軌道路盤沈下は、今後100年間は、5 mm以内に抑えなければならない。この基準を超えた場合、車両走行の安定性が悪くなるだけでなく、悪くすれば、脱線などの重大事故にも結び付く。そうなった場合の被害の大きさは想像に難くない。
これまでにない厳しい要求が課せられた工程を、短縮された工期でやりこなすとは、その安全性はどうやって保証するのか?基準を上回る沈下があった場合、その対策は?
工期短縮のための数々の発明やノウハウ
中国水利水電第四工程局有限公司の京滬高速鉄道プロジェクト部の羅卿副総経理(総工程師)は取材に対し、このように述べている:京滬高速鉄道は、山東省を流れる大ブン河を渡るが、この川底の地質は典型的なカルスト地形で、硬い石灰岩体もあれば、溶食されて出来た空洞が連続で存在する場所もある。大ブン河を渡る大橋の橋脚は、そうした地形に基礎を打たなければならないのだ。
プロジェクト部は地質調査の資料に基づき、橋脚の根入れのための掘削を専門とするチームをまねき、河床下の岩石上に杭基礎を打設する工程を委託している。
杭基礎掘削チームは各種機器・装置を携えてやって来たが、数日後に羅卿副総経理が視察に訪れた時には、作業中のはずの人間は誰もおらず、機器・装置もすべて持ち帰った後だった。あいさつ一つせず、この掘削工事を放棄したのだ。