米国で生産された箸が中国に輸出 ネット上で物議
3千年あまりにわたり、中国で食卓の必需品とされてきた箸。この箸が今、米ジョージア州のとある工場で大量に生産され、中国に輸出されている。「メイド・イン・USA」の箸が中国に大量輸出されているという事実に、西側メディアでは様々な議論が巻き起こっている。
米タイム誌は評論の中で、「中国製の品物であふれかえっている今の時代、中国が箸を輸入することはシンボリックな事件だ。中国は世界で労働力が最も安価な国の1つではあるが、そのメリットは徐々に失われつつあると指摘した。重慶晩報が伝えた。
▽米箸工場:木材の輸出から箸の生産へ
米国市場は中国製の製品であふれかえっている。しかし、中国やアジア文化のシンボルとも言える箸が今、米ジョージア州アメリカスで大量生産されている。箸を生産する「Georgia Chopsticks」社は昨年11月に設立され、1日あたりの生産量は200万膳に上る。同企業は現在、米国の産業界で異端となりつつあり、多くの米国人から驚きとともに様々な皮肉が寄せられている。「中国は今や米国向けのハイテク設備を製造しているのに、米国が中国のために箸を製造するなんて!」。
「Georgia Chopsticks」のジェイ・リー社長は韓国系米国人だ。彼はもともと木材の輸出を行っていたが、後に箸の加工を手がけるようになった。同氏によると、箸の主な輸出先は中国だが、日本、韓国や米国本土からの注文もあるという。
リー社長は「中国は世界最大の原材料輸入国ですが、原木の運輸コストは高すぎるし、生産のプロセスで材料の欠損が起きやすいため、加工済みの製品を輸入したほうが中国にとってコスト節約になるのです」と語る。リー社長は将来の業務発展に自信を持っており、現在はつま楊枝の生産を始める準備を進めているという。