韓国・EU間FTAが発効 中国への影響は?
韓国とEU間の自由貿易協定(FTA)が7月1日から正式に発効した。これは世界最大の経済体とアジアの国の間で締結された最初のFTAである。
韓国・EU自由貿易区の規模はすでに北米自由貿易区を越えており、この「歴史的出来事」による影響は経済分野にとどまらない。企業、業界は韓国・EU間FTAにより起こりうる衝撃を注意深く見守るべきはもちろん、今後地域間の経済競合における戦略的利益を最大限に獲得するため、為政者も中国のFTA戦略について再考すべきである。『中国経済時報』が伝えた。
中国企業のEU向け輸出に変数が生じることもありうる。
韓国・EU間FTAの発効後、97%以上のEU工業製品と90%を越える韓国工業製品がゼロ関税となる。これにより、韓国の自動車とその部品、農水産物、アパレル、機械などの関連製品がメリットを受け、対EU輸出の競争力が高まることになる。その他EU向けの高級テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの家電製品を生産している韓国企業も利益を得るだろう。
EUは中国最大の輸出相手でもあるため、韓国製品がより低い価格でEU市場に参入することは、現段階で低価格を強みにしている中国製品にとって挑戦となることはいうまでもない。
当面、韓国のEU向け輸出製品は船舶、携帯電話、自動車、石油化学製品を主とし、中国の輸出製品が機械・電気製品、アパレルとその原材料、家具、おもちゃを主としているなど、中国と韓国の輸出製品構造の重なりはそれほど大きくないが、アパレル、船舶製造分野で、韓国製品は中国製品にとって大きな脅威となる。
中国の経済モデルの転換、製品のグレードアップ、高付加価値製品輸出が増加するにつれ、中韓はミドルエンド・ハイエンド製品で直接対決することになるだろう。如何にしてますます熾烈化する競争に対応していくか、中国の各業界関係者の試金石となるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月8日