中国初の資産管理レポート 浮遊マネーは巨額
中国銀行は国際金融誌「ユーロマネー」(本部は英国・ロンドン)と提携して、今月20日に北京で中国初のプライベートバンク・資産管理産業に関する報告書を発表した。それによると、現在、中国には投資可能な浮遊マネーを1千万元以上もつ富豪が多数おり、中産階級の急速な勃興に伴って、中国は世界最大のプライベートバンク市場および資産管理市場に発展するチャンスを迎えているという。中国新聞社が伝えた。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)がまとめた数字によると、中国の各銀行の個人資産管理業務が取り扱う資産の規模は、2005年末の2千億元(約300億ドル)から2010年末は1兆7千億元に急増した。
中国でプライベートバンクが初めて開業してからわずか4年ほどだが、中国銀行個人金融本部プライベートバンクチームの趙沛シニアエコノミストの予測によれば、2011年末には同行のプライベートバンク顧客だけで、管理する資産の規模は3千億元を超え、顧客数の年間増加率は40%を超える見込みという。
交通銀行プライベートバンクセンターの施崢嶸主任も、2011年に中国には投資可能な浮遊マネーを1千万元以上保有する富豪が59万人に上り、投資可能な資産の規模が18兆元に達するとの予測を示す。
中国民生銀行プライベートバンク事業部の李文副総裁は「正確な統計データは出ていない。機関や銀行は基準の異なる報告をそれぞれに発表するが、プライベートバンク市場が極めて大きな市場であるという見方ではすべての人が一致する」と話す。
同報告によると、中国のプライベートバンク顧客層には他の国や地域の顧客層とは際だって異なる特徴がある。中国の顧客層の多くは裸一貫から身を起こした富豪一世であることから、他国・地域の富豪よりも「急進的」で、より高額の投資リターンを要求することが多い、という特徴だ。「ユーロマネー」の発行者であるニール・オズボーン氏(執行総裁を兼任)は20日、こうした特徴によって中国のプライベートバンクには欧州や米国の銀行を上回るイノベーション精神が満ちあふれていると指摘し、中国の新興のプライベートバンクや資産管理業務が、今後の中
国資本市場の健全な発展に重要で積極的な役割を果たすことになるとの見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年7月21日