中国でオイルショックは起こりうるか
中国工業情報化部が2日に発表したデータによると、中国の石油対外依存度は55.2%に達し、初の米国超えとなった。今年より、中国のエネルギー消費は増加を続け、対外依存度が上昇を続けている。1-5月、中国の石油推定総消費量(生産量+純輸入量)は、前年同期比10.3%増の1億9800万トンに達した。増加幅は1-3月と比べ1.6ポイント減となったが、引き続き急速な増加傾向にある。中華工商時報が報じた。
専門家は、中国の石油対外依存度が55%以上に達することも予想している。中国の石油輸入量は増加を続け、海外依存度も上昇する見通しだ。中国の専門家はこれまで、中国の石油対外依存度が2020年に60%に達すると予想していたが、現在この予測は保守的に思えるほどだ。世界の予測数値は、中国の専門家の予測を上回っている。中国の石油対外依存度は、2015年に60%、2020年に65%に達する見通しだ。
各国の経験に基づくと、石油の対外依存度が50%に達すると「安全警戒ライン」到達を意味するが、中国はすでにこのラインを越えている。つまり中国のエネルギー環境は、「比較的安全」から「比較的危険」へと移行したのだ。
米国と比較して、中国の石油消費量は増加を続けている。米国の消費量はほぼピークに達したが、中国のピークはまだ計り知れない。これらを背景とし、中国の石油対外依存度の上昇は、中国のエネルギー安全を脅かすものとなる。中国はこれまで発展を続け、そして今後も長期に渡り発展していくだろう。これを受け、エネルギー(石油を含む)の大量消費という特徴が生まれている。
中国の石油が不足しているならば、海外市場から調達すればよいと言う人もいるだろう。それは確かにその通りで、中国も現在そのようにして対応している。1993年以前、中国の石油需要は自給自足を実現できていたが、中国はその後、石油の大量輸入を開始することになる。中国全土の石油輸入量は、2010年に前年比17.4%増の2億3900万トンに達した。また石油の対外依存度は、前年比2.7ポイント増の53.8%に達した。
1970年代に発生した世界的なオイルショックにより、米国の大量の自動車が運転不可となり、トラックの運転手が失業するという事態が起きた。当時の中国は、経済発展の初期段階にあり、また政治的に閉鎖された環境であったため、オイルショックによる影響は深刻でなかった。しかし現在はかつてと異なり、中国はすでに世界最大のエネルギー消費国となった。近年、中国の自動車工業、一般庶民の自動車消費の爆発的増加に伴い、「工業と経済の血液」と称される石油の需要が高まっている。