中国に工場移転 レアアースを安価で入手したい日本企業
貴重なレアアース資源を保護するために中国が生産と輸出を規制する措置を取ったことが、中国からのレアアース輸入に頼ってきた一部の西側諸国と日本の強い反発を買っている。イギリスメディアはこのほど、レアアースの供給源不足に直面する日本企業は、「中国に工場を建設する」という新しい解決策を見つけた可能性があると伝えた。
ロイター通信が12日に掲載した文章によると、生産ラインを中国に移転させることで、低価格でレアアースを入手、生産し、製品を輸出することができる。これは日本企業が見つけたばかりの方法だという。
文章は、「中国が昨年レアアースの輸出規制を開始してから、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの生産に極めて重要なレアアースの価格が高騰した」と、具体的に例を挙げた。世界トップクラスの磁性材料メーカー、日立金属はすぐに磁石の生産基地を中国に移転した。磁石を生産するのに必要なネオジムは、レアアースの一種である。そのほか、米国が2012年に大型レアアース鉱での生産を開始することから、日立も米国での生産施設の設立を計画している。
また、レアアース磁石用合金を製造する昭和電工株式会社はこのほど、中国にある合併会社の生産能力を拡大する方針を明らかにした。報道によると、昭和電工は同合併会社の生産量を5割増やし、レアアース磁石用合金の年間生産量を3000トンに増やす方針。「これは合理的な選択」と昭和電工は表明している。
一方、同報道はある分析を引用し、日本企業が生産施設を移転するというやり方により、その戦略的なハイテク製品の生産技術の秘密が漏れることも考えられると指摘。特に、ハイブリッドカーの生産には精密磁石の応用技術が使われており、現在そのようなハイブリッドカーを生産する企業は日本に3社しかない。「中国は、こうした高い技術を持つ外国企業が中国に合弁企業を設立することを望んでいる。日本企業が握るハイテク磁石の生産方法を知ることが狙いだ」と、日本のある貿易会社の関係者は話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年8月16日