メイド・イン・ジャパンに陰りが差す (2)
中国の中・高級車市場のシェア40%を占める日本車は今年、新車種の発売計画を打ち出していない。アコード、カムリ、ティアナ、マツダ6は今年、2011年アップグレード版のみを発売予定している。またカムリは製品ライフサイクル末期を迎えている。
長年の努力により積み重ねてきた信頼と販売台数により、日本車は依然として中・高級車の主流となっているが、日増しに激化する競争、消費者の理性的な態度により、日本車がこれまで保持していた優勢が失われつつある。
トヨタとホンダのリコール騒動、東日本大震災、労使関係の悪化といったマイナス影響を受け、日本車の華南地区における市場シェアが下降の一途をたどっている。メーカーからのデータによると、フォルクスワーゲンは今年上半期、華南地区における市場シェアを、数年前の7%から15%まで回復させた。
市場関係者は、「日本車の快適で壊れにくいという特長は、消費者の総合的なニーズを満たせなくなった。日本車の競争力低下の主な原因は、機関エンジン技術の遅れである」と指摘した。
コンサルタント業務を行うアリックスパートナーズは、「日系メーカーの中国における市場シェアは、2007年の25%から2010年の19%まで低下し、今後も低下を続けると見られる」とする報告書を発表した。
日系メーカーの最大の競争力はリーン生産方式にあるとされてきたが、現在はさまざまな課題に直面している。日系メーカーの生産方式は、工場全体と取引先の協力によるものである。それぞれの利益を最大化し、技術の機密性を確保し、取引先の満足度を高めることができる。
日系メーカーの川上・川下の緊密な協力はコスト削減に効果的で、完成車およびサプライチェーンの利益共同体を形成し、相互利益を実現する。しかし仮に部品サプライヤーの品質に問題が生じれば、「共倒れ」の局面に陥る恐れがある。日本車で大規模な品質問題が相次いだ原因もここにある。
ゼネラル・モーターズを代表とする調達方式は、市場競争を基礎としている。工場全体は部品の品質、技術レベル、製品価格、サービス品質などの要素に基づき、部品サプライヤーを自由に選択する。入札方式を採用することにより部品の品質を保証できるが、このゼネラル・モーターズの方式はトヨタ方式と比べ、コストが約8%割高だ。
IBM大中華区グローバル企業コンサルティング部の陳亦カイ・高級コンサルタントは、「どちらの方式にも優劣があるが、共倒れによる結果については考慮すべきだ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2011年8月16日